鉄道各社がうらやむ?JR西「新オフィス」の実像 カラフルな社内、席は自由に選べる…成果出るか

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今回の移転も単なるオフィスの移転というよりも、むしろ「新しい働き方」の実現につなげたいとJR西日本は考えた。

2023年11月にワークショップを3回実施。延べ70人近い社員が参加し、新しい働き方にふさわしいオフィスのあり方について活発な議論が行われた。そして、「ありたい社員像」から逆引きでオフィス像を描くという方針が決まった。

では、ありたい社員像とはどんなものか。従来のJR西日本の社員像は「保守的な社員」「上司の指示どおり動く社員」「組織の縦糸で連携する社員」というものだった。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、「これまで通り」のやり方では対処できないという危機感が鉄道本部の社員の間でじわじわ高まっていた。

部署ごとにフロア分けしない理由

とくに2023年1月24日の大雪によりJR琵琶湖線・京都線で15本の列車が立ち往生し、多数の乗客が車内に長時間閉じ込められたトラブルでは、事前にトラブルを回避するチャンスが何度もあったものの、適切な判断を行うことができなかった。旧来的な発想から抜け出すことができなかったことが招いた結果かもしれない。

そこで、新たな社員像として「挑戦する社員」「自律的な社員」「組織を超えて連携する社員」という目標を掲げた。そして逆引きされたオフィス像が、「挑戦する社員が心理的安全性を感じるようなオフィス」「自律的な社員が働く場所を選択できるようなオフィス」「組織を超えて連携する社員のために共創を促進するようなオープンな空間の実現」である。

このオフィス像を踏まえ、部署ごとにフロアを分けるのではなく、フロアごとに特徴を設けて、社員が業務に応じて自律的に働く場所を選択できるようにしたわけだ。

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