「次期戦闘機はシステム・オブ・システムズだ」開発企業の一角イタリア・レオナルド幹部に聞く日本・イタリア・イギリス3カ国協同開発の行方

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――GCAPでは、日英伊で33%、33%、33%のワークシェアリング(作業分担)を求めていきますか。対等な参加比率になりますか。一部通信社が以前、日英伊の比率が4対4対2になると報じたことがありましたが。

対等の参加です。これは3カ国の産業界ですでに合意されました。これ以外の情報はうそです。

――ただし、サウジアラビアがGCAPに参加することになれば、違った比率になりますね。

今の時点ではサウジアラビアは参加しておらず、33%、33%、33%です。もしサウジが参加する時には、どうしたらサウジが貢献できるのかを検討して決めていきたいと思います。今はまだ、そのアイデアはありません。

――次の質問は企業人に聞くべき質問ではないかもしれませんが、あえてうかがいます。2022年12月に日英伊の3カ国首脳が発表したGCAPの共同声明には「われわれ3カ国には、自由、民主主義、人権、法の支配といった共通の価値に基づく、長年にわたる緊密な関係がある」と記され、西欧型のリベラル民主主義の同志国が実施するプロジェクトであることがうたわれました。サウジアラビアははたして適切でしょか。

ぜひイタリア政府に聞いてください。私は答えられません。

コンセプト段階は2026年に終える

――今はGCAPの「構想設計」の段階にあり、その後、「基本設計」「詳細設計」へと進むと聞いております。基本設計や詳細設計の開始時期など、今後の予定を教えてください。

私たちは古典的なエンジニアリングの作業方法でプロジェクトを進めています。今はコンセプト段階で、2026年に終える予定です。それが終わったら、どういうシステムを開発すべきなのかを検討していく段階に入ります。

――レオナルドから見て、パートナーのイギリスと日本の強みは何ですか。例えば、イギリスはステルス性能の高度化、日本は機体の軽量化や機体の設計でそれぞれ優れていると聞いています。

協業をしている3カ国の産業チームは、それぞれが航空宇宙業界で世界最高のクラスに位置します。したがって、それぞれが航空機を製造し、飛行させることのできる強みを発揮できます。

レオナルドも、最高クラスのメーカーとして、デザインや実際の航空機の生産に優れています。これまでにユーロファイターやF-35戦闘機、練習機のM-346やM-345を製造してきた実績があります。レオナルドは概して航空宇宙や航空学に強みを持っています。

ですから、軽量化においてもそれぞれの産業界が貢献し、最善の方法で協力を図っていくことになります。1社だけが行うわけではありません。

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