――レオナルドはミッション・アビオニクス(搭載電子機器)の分野が強い企業と知られています。やはりGCAPの中でも、この分野での貢献が大きくなりそうですか。
GCAPの合同事業のコンセプトは、3カ国のそれぞれの産業界のコラボレーション(協業)をベースとしています。合同事業の形態としては、それぞれの国の産業チームが参加します。
したがって、レオナルドはアビオニクスやミッション・システム、飛行システムに強みを持つ企業として参加しますが、その分野だけではありません。他の国のメーカーも参加します。
サウジアラビアとの協業は?
――今、日本ではサウジアラビアがGCAPに参加するとの見方が強まっています。サウジアラビアの参加について、レオナルドとしてどのようにみていますか。
政府間でサウジアラビアとどのように協業できるかを話し合っている最中です。政府が決定し、産業界に「サウジアラビアともやりなさい」との要請があれば、もちろん当社も協業の方法を考えます。当社は協業にはオープンです。どうすればサウジアラビアとの協業が可能なのかを考えます。

――客観的に見て、サウジアラビアには日本やイギリス、イタリアの3カ国と同水準の技術力はあるのでしょうか。サウジアラビアはもちろん資金力で貢献できると思いますが、技術力で貢献できますか。
すでに述べたように、もし政府から要請があれば、私たちはいろいろと話し合いをしていくでしょう。ただ、初日からサウジが参加するというわけではなく、サウジは彼らの能力を強化していく必要があります。彼らの能力が上がり、数年後には協業の準備ができるでしょう。
つまり、私たちは、サウジアラビアとはさまざまな種類の協業を考えており、初日からフル参加するのではなく、そこには移行期があります。その期間はサウジアラビアが技術力を強化するために、そして、私たちが彼らを理解するために費やされるでしょう。
――日本では「川を渡る途中で馬を替えるな」との格言があります。GCAPの途中で、サウジアラビアでもインドでもカナダでもオーストラリアでもいろいろな国が参画してくると、馬を替えることになりませんか。
いいえ、私たちは馬を替える予定はありません。すでに3カ国でプロジェクトを開始しました。そして、作業法を統合する必要があります。
もし他国が参加することになれば、私たちは彼らがどのような方法で参加ができるかを探ります。さまざまな水準の参加方法があります。彼らが参加するのであれば、彼らの適切な技術力水準の下で、いつどのような形で参加が可能なのか検討します。
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