プーチンとゼレンスキー・人間的性格からみた戦争終結の行方、プーチンはゼレンスキーの没落まで徹底して待つ男だ

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2019年12月9日、フランス・パリで開催されたウクライナに関する4カ国協議。ウクライナのゼレンスキー大統領(左)とロシアのプーチン大統領(右)が同席している(写真・2019 Bloomberg Finance LP)

ゼレンスキー大統領の任期は、2024年5月すでに失効している。それからちょうど1年が経過した。そしてゼレンスキーの政党「国民の僕」が支配する議会も、2024年7月に失効している。

しかし、大統領も議会もそのまま選挙なく継続している。大統領は、戦争による戒厳令下では致し方ないという。

政治的任期が切れているゼレンスキー政権

フランスの『ル・モンド・ディプロマティーク』(2025年4月)に掲載された「戦時下の民主主義」という記事によると、国民の多くは、国(ロシア占領地を除く)内外に住む人口の62%の人々がこの処置を歓迎しているという。ただ14%は選挙をやるべきだと主張しているようである。

また、停戦後すぐに選挙をやるべしという意見も19%はあるようだ。もちろんこの調査がどこまで国民の意見を表しているか、戒厳令下の調査という点で疑わしさは残る。

実際に、こんな状況で選挙を行うというのは簡単ではない。まずちりぢりばらばらになった選挙民の投票をどう行うかである。ロシアやポーランドその他に避難する国民にどう投票させるか。すでにロシアに組み入れられているドンバス、ザポロージャなどの地域の住民の選挙をどうするか、複雑な問題に遭遇する。

少なくとも、占領地域を除く地域で選挙を行うことも可能だ。不完全だが、形式的には民主主義国という体面は保たれる。

日本は1941年の真珠湾攻撃の半年後の1942年4月に衆議院選挙を行っている。もちろん大政翼賛で政党対立が存在しない条件のうえでだ。

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