プーチンとゼレンスキー・人間的性格からみた戦争終結の行方、プーチンはゼレンスキーの没落まで徹底して待つ男だ

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もっとも、国土と国民がばらばらになっている国での選挙の困難は理解できる。しかし、これはすでに支持を失っているといわれる現政権の口実にしか過ぎないともいえる(選挙を行えばイギリス大使となっている前総指令官ザルジニーが大統領になるともいわれる)。

きわめて不利なウクライナの現況

現在の戦況は、ウクライナにとってきわめて不利だといえる。2024年8月に攻勢をかけたロシア領内クルスクへの侵攻も敗北に終わり、東部地区の戦線もロシアの侵攻に毎日屈している状況である。

武器の調達もアメリカの離脱で滞り、徴兵年齢を引き上げることで兵士の数を増やそうにも、老兵の訓練との関係でも限界に来ている。

また、すでに戦争前からの財政危機は限界に達している。海外からの援助も、アメリカが離れることで底をつき、戦争による破綻より前に財政破綻する可能性もある。アメリカを除くNATO諸国が、この穴を埋め続けられるかにかかっている。

その意味で是が非でも一時停戦に持ち込みたいところだが、すでにKO負け寸前の状態で停戦などが実現する可能性は少ないとみていい。そうであれば条件付き降伏もありうるが、ロシアのプーチン大統領には応ずる気はないようである。結局、無条件降伏か、消滅しかないのか。

政治的判断に人間の性格が関係するとすれば、ゼレンスキーとプーチンの性格を知る必要がある。アメリカ・シカゴ大学のハロルド・ラスウェルは、政治の決定要素に人間の性格(Personality)を入れた人物だが、政治のあり方に性格研究は欠かせないのかもしれない。

それにしても、ロシアのプーチンの性格はきわめて残酷にもみえる。プーチンといえば西側諸国では残虐非道の人物として描かれる場合が多い。そうであるならば、初めから平和の可能性はまったくないかもしれない。

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