プーチンとゼレンスキー・人間的性格からみた戦争終結の行方、プーチンはゼレンスキーの没落まで徹底して待つ男だ

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ウクライナとロシアはある意味相似形である。似たもの同士といえる。ソ連崩壊の中で国家秩序を失い、半ば暴力的な形で資本主義が発展し、それが政治を牛耳ってきた。

もっとも西側の資本主義も似てきているともいえる。ある種の経済のオリガルヒがその資金力で政治権力を選挙によって獲得し、経済に政治を従属させているからである。

市場を独占した大資本家は、政治に積極的に関与するようになっている。アメリカのトランプ大統領はその代表的人物である。

切れなかったオリガルヒとの関係

ウクライナのゼンレンスキ-は、オリガルヒを切り、汚職をなくすことを目差して大統領になったのだが、そこに眼をつけた欧米資本とオリガルヒと完全に手を切ることができなかった。このことがプーチンと違う点かもしれない。

ユダヤ人の技術者の家庭に生まれ、比較的裕福に育ち、喜劇役者という役回りによってテレビ番組の大統領役で人気を博し、本物の大統領になった男だ。

意志堅固で劇場型人間であるゼレンスキーは、陰の多いプーチンと対照的だ。彼が演じたテレビ番組『国民の僕』は、国民にウクライナを変える人物であると思わせるにふさわしい役まわりを、彼に与えた。

その意味で、彼を有名にしたそのテレビ局のオーナーだったコロモフスキーは、彼の敵であるポロシェンコ大統領を打倒すべき最高の人物を選んだともいえる。ベレゾフスキーに推薦されたプーチンが、目立たない男でいかようにもたぐれる影武者と思われたように、ゼレンスキーも影武者だったのかもしれない。

プーチン政権がまがりなりにも石油価格高騰でロシア経済を好転させ、政権の地固めができたのとちがって、ゼレンスキー政権は戦争前に経済的困難に遭遇し、政権維持が困難になっていった。

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