「ただこの年齢になってみると、1人で歳を重ねていくのも寂しいですし、パートナーを見つけたいなと思っているんです」
ただ、結婚して1つ屋根の下で暮らすことになっても、お互いの部屋があること。寝室は別々にしたいというのが、相手に求める条件だった。
「お相手が望むなら、別居婚、週末婚でもいいと思っています」
ただ、これをプロフィールに書いてしまうと、会える相手がぐっと減ってしまうことを筆者は告げた。すると、やすえはしばらく黙っていたが、静かに言った。
「それでもいいです。無理をしてあとで我慢できなくなるより、最初からわかってくれる人と出会いたいから」
結果、多くの相手とはお見合いが組めなかったが、数人と会っていくうちに誠実で穏やかなこうじ(56歳、仮名)と出会い、仮交際に入った。
関係を育んでいくなかで、過去にパートナーとの生活で無理を重ね、体調を崩した経験があったことを話すと、こうじは言った。
「僕も、人が隣に寝ていると気を遣ってしまって寝つけないタイプなんですよ。別室、大歓迎です。夫婦だったとしても、お互いにプライベートの時間は大事にしたいと思っています。ただ別居婚、週末婚は寂しいな」
違う環境、違う価値観のなかで…
この2人のように、自分が掲げている結婚への条件やルールが同じなら、きっとうまくいくのではないか。また、「別居婚、週末婚は寂しい」と言われ、そこはこうじの考えを受け入れようとやすえは思っている。

2人は今もとてもいい関係を育んでいて、先日真剣交際に入った。
結婚とは、自分とは違う環境や価値観のなかで育ってきた相手と家族になることだ。人はみな違う環境で育ち、違う常識を持っている。結婚は、そうした違いを否定するのではなく、お互いのなかにある“当たり前”をすり合わせて、認め合っていく営みなのではないだろうか。
譲れないマイルールを掲げて婚活している人たちは、一度立ち止まって考えてみてはどうか。
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