“ステルス増税”で国民負担増…「増税できない」「お金が足りない」「改革はやりたくない」維新・幹事長が語る社会保険料が上がり続けてきた理由

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——社会保険料を思いきって下げた方が現役世代のプラスにはなると思いますが、消費税の減税とのバランスはどのように考えていますか。

まずは、逆進性の高い社会保険料を下げていきたい。当面の目標は、社会保障費を4兆円削って、1人当たり年間6万円下げること。

——社会保障費を4兆円削減して、さらに消費減税の財源も生み出せると考えますか。

それにはさらなる抜本的改革をやっていかなければなりません。どれだけ経済成長できるかにもかかっています。世界的なインフレ下で、基本的には経済は成長方向のはずなんです。高齢者よりも消費意欲が旺盛な現役世代の負担を軽くすれば消費に回って経済が成長していく。そうすれば、減税などにも手をつけ始められるんじゃないかという発想です。

4兆円の財源確保のために削減するもの

——4兆円削減するためのいちばんのターゲットは何ですか。

与党と毎週協議をする中で、先週、過剰な病床の削減について大筋で合意できました。11万床の削減で、効果額約1兆円。われわれの試算では、日本中の病院に新型コロナのような感染症の拡大時などに対応するためのベッドを確保したとしても余っているものが11万床ある。

ここにも配置基準で医師や看護師を一定数配置しておかなければならない。ベッドを空けていると、利益を生まないどころかコストがかかるので、埋めていこうというインセンティブが働きますよね。結果、過剰に入院させて医療費がかかると。

——社会保障費の話は、あまりタブーを設けずに議論すべきだと思いますが、やはり医師会の抵抗が強いんでしょうか。

われわれは医師会に応援してもらっているわけでも、お金をもらっているわけでもないので、正直わからないんです。しかし、自民党の皆さんは、相当抵抗があるんじゃないかと想像しますね。自民党がそこに切り込むのはなかなか難しいですよね。

——年金制度改革法案をめぐっては、厚生年金の積立金を“流用”して基礎年金を底上げするという案が批判を受けています。

自民党があんこを入れて出そうとしたら、厚生年金の積立金の流用だという批判を受けて、あろうことかあんこを抜いて出してこられた。そこに立憲がかみついて、「あんこを入れろ」と言い出した。結果、与党と野党第1党の立憲が、あんこを入れることを密室で決めてしまったと。

問題は、「そのあんこはどこから持ってきたの?」ということです。よそ様のあんこを取ってきて入れて、「あんパン完成した」って喜んでるんです。それはいかんだろうというのが私たちの考えです。

——自民党ですら、今国会では通らないと思っていたのに、立憲民主党が早々に助け舟を出したのはどうしてでしょうか。

本音のところは立憲民主党しかわかりませんが、選挙前に功を焦ったなと思っています。実を取ってアピールの材料にしたかった。

こんな重要な法案をほとんど審議せずに採決しようとしていますから。与党と野党第1党が組むということはこういうことなんだと思いました。

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