“ステルス増税”で国民負担増…「増税できない」「お金が足りない」「改革はやりたくない」維新・幹事長が語る社会保険料が上がり続けてきた理由
——輸入で補填をするというのは、(日本政府が海外から無関税で輸入している)ミニマムアクセス米の枠を超えて輸入するということですか。
恒久的にやるかどうかは慎重な議論が必要ですが、短期的・一時的・緊急的なミニマムアクセス米の拡大は、国民のことを考えたら直ちにやるべきだと思います。もちろん農業やその担い手である農家も大事ですから、戸別補償で別途、しっかりとサポートしていけばいいと思います。
——石破茂首相や小泉農水相はかつて、農政改革に取り組もうとしましたが、自民党農水族などの抵抗に遭い頓挫しました。今回はある程度、改革が進むと見ていますか。
ここがまさに見どころと言いますか、党内の抵抗勢力、自民党の支援団体であるJAを中心とした組織・団体の抵抗を、はたして石破さんや小泉さんが突破できるのか。そこをしっかり見極めたいと思います。
社会保険料が上がり続けている理由
——物価高対策としての一時的な消費税の減税についても大きな焦点です。自民党は食料品の軽減税率も含め消費税減税はしない方針ですが、日本維新の会は、軽減税率を2年間ゼロ%にすると主張しています。
消費税を全部下げられたらいいですけど、やはり財源の問題が出てきますので、全部は非現実的だろうと。では、今最も必要なものは何かというと、生きていくための食料だと。その食料に関して、2年間限定でゼロ%にした場合に必要な財源は5兆円ぐらいです。これぐらいならば税収の上振れだけでも対応できるでしょうという現実的な案を提示させていただいているつもりです。
——一方で維新は、社会保険料の引き下げも主張しています。両方を下げるということなんでしょうか。
まずは、現役世代の非常に重い負担になっている社会保険料です。それをやり切ってさらなる改革を進められれば、消費税減税もできるだろうということです。
年収350万円の単身世帯の方の所得税は年間7万円です。社会保険料は年間50万円。会社も同じように50万円。まず手をつけなければいけないのはこっち(社会保険料)でしょうと。
——日本はこの30年、社会保険料ばかり上がるという、極めていびつな状態で進んできました。
人口が増えていた時代の制度設計ですから、少子高齢化に合わせて構造改革しなければいけなかったのに、今までの政治がそれをできなかった。
税金を上げるというと国民に反対されますから、選挙を考えると増税はできない。でも、お金が足りない。改革は既得権者の抵抗があるからやりたくない。その結果、社会保険料を上げる、いわゆる“ステルス増税”をやってきたと思っています。
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