《ガラパゴスは入島税3万円》《マチュピチュは入場制限》 海外の有名観光地「混雑対策」の実情
まずキトかグアヤキルの空港で20ドル(約2800円)を払ってTCT(トランジットコントロールカード)を取得しないと、ガラパゴス行きの飛行機に搭乗できない。
現地の観光当局によると観光客の島への出入りを把握するのが目的で、TCTは島を出る際に回収される。
飛行機を降りると外国人は入島税200ドル(大人料金:約3万円)の支払いが待っている(※以下、本文中の価格はすべて大人料金)。
1998年に100ドルの入島税が導入され、その額は26年にわたって維持されていたが、2024年8月に2倍に引き上げられた。筆者がガラパゴス入りしたのは同年10月。直前に値上げの事実を知り、ATMでドルを引き出しながら「数カ月早く行っておけば」と後悔した。
入島税はエクアドル国民が30ドル。アルゼンチン、ボリビアなど南米南部共同市場(メルコスール)加盟国の国民と、コロンビア、 ペルーなどアンデス共同体加盟国の国民は100ドルなので、三重価格になっている。
さらにガラパゴス諸島最大の島で、ガラパゴスペンギンや野生フラミンゴが生息するイザベラ島に入るには、プラス10ドル(エクアドル国民は5ドル)が必要になる。
ガラパゴスの高すぎる入島税に対する見解
ガラパゴスのツーリストセンターは入島税について「高いと感じる人もいるかもしれないが、これらの料金がすばらしい島々の保護に役立っている」「ガラパゴス諸島を訪れることは、一生に一度の素晴らしい休暇を楽しむだけでなく、魅力的なガラパゴス諸島を守る保護活動にも貢献する」と理解を求め、資金の配分先を公表している。

アメリカ・CNNやイギリス・ガーディアンの記事によると、4つの有人島に約3万人が暮らすガラパゴス諸島には2023年に前年比23%増の33万人が島外から訪問した。
コロナ禍後に観光客が急増したことで生態系への負荷が増し、訪問者の抑制と環境保護活動資金捻出のために、入島税の値上げに踏み切ったという。
筆者は、有人島の中で最もにぎわっているプエルト・アロヨに滞在中、通りを外れて海岸に向かっていると、管理施設の職員に呼び止められ名前やパスポート番号の記録を求められた。島の出入りごとに荷物検査もあり、動物だけでなく人間の流入も厳しく管理されている。
ガラパゴス諸島に住む人々の多くは観光産業に従事しており、一定数の旅行者に来てもらう必要があるが、ガラパゴス諸島側は「環境保護のためにコストを負担できる人しか入れない」というスタンスを明確にしている。
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