《ガラパゴスは入島税3万円》《マチュピチュは入場制限》 海外の有名観光地「混雑対策」の実情
孤立した島ゆえに物価が高く、Wi-Fiは安定しておらず、クレジットカードが使えない施設が多い(使えたとしても手数料が必要になる)。筆者は10日間の滞在中、何度もATMに行って現金を引き出した。島側が訪問者を選んでいる感が半端ではなく、不便の一方で安心・安全感も高かった。
混雑回避のために入り口を分ける
ほかの国でも外国人価格にたびたび遭遇した。
イスタンブール(トルコ)を代表する観光スポットでキリスト教とイスラム教が共存するモスク「アヤソフィア」は2024年1月、混雑回避のためにイスラム教徒向けの祈りの場と観光のために入るエリアを分け、入り口も別々にした。同時に外国人から入場料25ユーロ(約4000円)の徴収を始めた。
筆者はうっかりイスラム教徒向けの入り口から入り、係員に着ていたパーカーのフードをかぶせられながら内部に到達したが、係員の1人に「あなたイスラム教徒じゃないよね。だったらチケットを買って別の入り口から入ってね」と気づかれ、追い返されてしまった。
アヤソフィア近くの観光名所「地下宮殿」は2025年5月時点では現地訪問者300トルコリラ(TL、約1100円)、外国人1300TL(約4800円)。こちらも日本のガイドに「必見スポット」と書かれているが、アヤソフィアと合わせると9000円近いのでかなり躊躇する。
過去に地下宮殿に行った人の口コミやブログを複数見ると、外国人入場料は2020年に20TL、2024年で600~900TLとあるので、急ピッチで上昇している。トルコリラ暴落やそれに付随するインフレの影響を受けたものだが、5年で65倍になっており、「取れるところから取ろう」感も抱いてしまう。
しばしば二重価格の事例として挙げられるギザ(エジプト)のピラミッドは外国人料金が700EGP(エジプトポンド、約2000円)、エジプト国民と周辺国は60EGP(約170円)。ローカルの人より10倍以上高いが日本円に換算すると他国の世界遺産と同水準か安いくらいなので受け入れやすい。
ただ、チケット売り場に近づくとぼったくりやダフ屋に囲まれるし、スフィンクスゲートの入り口はわかりにくいので、「そんなにお金取るなら外国人観光客に優しい場所にしてよ」とは思う。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら