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6月末に「都内で大量閉店」の天下一品。久々に訪れると味は昔のまま…なのに、昨年にも多数の閉店が。一体なぜ「縮小」が続いているのか?

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  • 谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家
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面白いのは、トップカルチャーがレンタル撤退を発表したとき、今回の天一騒動と同様の事態が起きたことだ。要するに「TSUTAYAの全店が不調で、CCCがレンタル事業から撤退」という誤解が生まれたのである。

あくまでも、この撤退はトップカルチャー内部の話であって、CCC全体の話ではない。しかし、CCCの決算が好調ではなかったことも相まって、真実味を持ってこの話が広がってしまった。

ちなみに、トップカルチャーは現在でも蔦屋書店の経営などを行っている。レンタル事業からの撤退も一気に行っているわけではなく、じわじわと進めてきた。ただ、月次の売り上げなどを見ていると「好調」とまではいえず、最終的にはTSUTAYAや蔦屋書店自体から撤退……となることも可能性としてはある。

その際に「CCCが蔦屋書店から撤退!」という誤解が起こらないといいのだが……。

チェーン店という「弱いインフラ」

一般消費者から見ると、店舗の閉店は店舗の閉店である。本部がどうとか、フランチャイズがどうとか、関係ない。見知った風景が、見えないシステムによって変わっていく。

ところでふと思ったのだが、今回の「天一騒動」でわかったのは、ある層にとっては天下一品が「インフラ」のような、なくてはならないもののように捉えられていたという事実である。そうでなければ、この閉店がここまで話題を呼ぶこともなかった。

天下一品はもはやインフラになりつつあるのか(筆者撮影)

先ほど例に出したTSUTAYAもまた、地方・郊外部においては、紛れもなく「カルチュア・インフラ」だった(ちなみにCCCの企業理念は「カルチュア・インフラを作ること」である)。配信サービスがない時代、私たちはTSUTAYAで映画を知ったし、音楽を知った。5枚1000円のCDレンタルからカルチャーを染み込ませた人は多いはずである。

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天一にしてもTSUTAYAにしても、それが「インフラ」たり得たのは、間違いなく「フランチャイズ」の力が大きい。各地に散らばった「この店をやりたい!」という人々が、それを広め、全国区になった。

ただ、今回の騒動からもわかるように、それは水道やガスと比べたら、きわめて弱いインフラである。一般消費者からは見えないシステムで失われるインフラである。

むろん、フランチャイジーが撤退するのは、そもそも消費者からの需要がなくなったからだといえば、遠回しに消費者の意向が反映されていないわけではない。

ただ、今回の天一騒動を見ていると、やはり消費者があずかりしらぬところで店舗がなくなることもあるな……と思えてくる。

全国に広がるチェーン店が日本で「インフラ」のような風景を成しているのは、異論がないところだろう。しかし、それは消費者からは見えない部分でなくなってしまうかもしれないインフラでもある。「天下一品」のように、昔と変わらず美味しいラーメンを提供してくれている店も例外ではない。

そんなことを、今回の「天一騒動」から考えたのである。

【もっと読む】「店員が元気よく歌う」→「待ってるこっちは恥ずかしい…」 一世を風靡するも、残り1店となった「コールド・ストーン」。衰退も"納得"の理由 では、東京から消滅し、国内残り1店となった「コールド・ストーン・クリーマリー」の現状について、チェーンストア研究家の谷頭和希氏が詳細に解説している。

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