世界を動かす「表と裏のカラクリ」。「生産手段」と「供給過剰」――2つのキーワードで歴史を見ると、戦争がなくならない理由が嫌でもわかる
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長い人類の歴史はすべて“コレ”をめぐって動いてきた……(写真:sogane/PIXTA)
なぜ戦争はなくならないのか。
問題が多いと言われながらも、なぜ資本主義はつづいているのか。
なぜアメリカと中国は仲が悪いのか。
「歴史はくり返す」といわれるが、何百万年ともいわれる人類の歴史を理解するのは、ハードルが高い。
しかし、ある「キーワード」をいくつか理解しておくだけで、歴史や世界情勢や経済のニュースがグンとわかりやすくなる。
いわゆる「教養がある人」と尊敬されるのは、この「キーワード」を理解し、使いこなしている人だ。
歴史といっても年号や、複雑な王朝の名前を覚える必要はない。「大きな枠組み」だけをざっくり知っておけばいい。
世界で驚異の300万部を売り上げてきた『全人類の教養大全』シリーズでは、著者のチェ・ソンホ氏が2つのキーワードを使って、歴史をわかりやすくひもといている。
生産手段を持つ者が常に社会を支配する
人類の歴史をざっくり5段階に分けると「原始・古代・中世・近代・現代」という5つのパートに分けてその流れをたどることができる。
まず、原始から近代までの歴史は「生産手段」というキーワードを中心に変化してきた。生産手段は生産物を生み出し、生産手段を所有した人は富を手に入れる。これはつまり、権力の獲得を意味する。生産手段が権力をもたらしたのだ。
狩猟採集で暮らしていた原始時代には生産手段がなかったので、社会はまだ平等だった。
古代の生産手段は土地と領土で、王さまがこれらを所有した。
中世には王さまと領主が所有する荘園が生産手段になった。
近代の生産手段には工場と資本があって、ブルジョア(工場という生産手段を所有した階級)がこれらを独占した。
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