世界を動かす「表と裏のカラクリ」。「生産手段」と「供給過剰」――2つのキーワードで歴史を見ると、戦争がなくならない理由が嫌でもわかる

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経済学者のマルクスは歴史を5段階に分け、歴史は原始共産社会、古代奴隷制社会、中世封建社会、近代資本主義をへて最終的に資本主義社会の崩壊という結果をもたらすだろうと考えた。そして、資本主義がみずからの矛盾によって崩壊した後は、経済的平等が実現される共産主義社会がやってくるだろうと予言した。

だけど、現時点での結果だけを見ると、その予言は外れているように思える。共産主義といえる社会はもうほとんどないし、僕たちが知っているかぎり、いま残っている共産主義社会の暮らしは、あまり幸せそうには見えない。

いつの時代も歴史を動かしたのは経済

結果だけを見ると、共産主義革命は失敗に終わった。『歴史の終わり』を記した政治学者のフランシス・フクヤマの言うとおり、資本主義の次に新たな経済体制が登場することは不可能に思える。

資本主義は、究極の経済体制ではないものの、柔軟で単純な特性を持っているのだから、人類にとっては最善の体制なのかもしれない。

近代の産業化は資本主義を誕生させ、その資本主義の特性が、近代から現代までの歴史をけん引してきた。

しかし、資本主義は生まれながらに「供給量がつねに需要量を上回る」という特性を持っている。つまり、「ある商品やサービスを欲しいと思う人の数以上に、商品やサービスが過剰に生み出されている」ということだ。

この供給過剰問題を解決するためには、需要を増やさなければならない。需要を増やす方法には2つある。

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