ただ「読む」だけではもったいない…医師が推奨! 新聞を「話す」「書く」という【新習慣】の驚きの効果

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一方、少し言葉が出にくくなっている70代のBさんという患者さんですが、彼はいつも奥さんと一緒に来院していました。この奥さんがとても短気なのです。

Bさんは何かをしゃべろうと考えているのですが、奥さんはイライラした表情で、「こういうことでしょ!」、「なんですぐに答えないの!」と、すぐに横やりを入れてしまいます。私はBさんを問診しているのに、実際にしゃべっているのは奥さんだけというような日もありました。

私の前でこの様子なのですから、ふたりきりのときの奥さんはもっと短気になっているはず。Bさんが家ではほとんど話をしていないことが想像できました。

普段からしゃべる機会がないと、言葉はどんどん出にくくなっていきます。案の定、Bさんは来院するたびに、認知機能が衰えていくのがわかりました。しかも、言葉が出にくくなるだけでなく、記憶力や思考力の衰えもみられるようになっていました。

普段から声を出して話そうとした100歳超のAさんは回復し、おそらく普段あまり会話をしていない70代のBさんは症状が進んだ。いかに「声に出して話す」ことが脳にプラスの効果を与えるのか、「話さないことが」脳にマイナスになるかがわかると思います。

新聞には「話のネタ」が満載

だからこそ、普段から家族や友人と話すことを心がけてください。

そのための道具として新聞は最適です。新聞には新しい話題が毎日掲載されているのですから、話のネタになります。会話を毎日している人の脳は活性化され、認知機能を維持できます。

同じように、何かを考えながら「書く」ことも脳にとってプラスの行動です。脳卒中やパーキンソン病のリハビリには、「文字を書く」というものがあります。手の運動機能の回復と、脳への刺激の効果があります。

失語症のリハビリも、書くことにより表現や単語や文法の理解を取り戻そうとするものです。交通事故や病気で脳がダメージを受け、記憶・注意・思考・認知などに障害が出た人には、日記を書くことで記憶力をおぎなうリハビリを施します。

普段から、書く習慣も身につけておきたいものです。日記でもいいし、スケジュール帳でも、何なら買い物に行く前のメモでもかまいません。毎日、何かを書いている人は、脳が衰えにくくなります。

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