言い換えれば、仮にシミオン氏が当選していたら、ルーマニアの金融市場はクラッシュし、経済は大混乱に陥ることになっただろう。具体的には金利が急騰、通貨や株式は暴落し、景気は強い負荷に晒されたわけだ。なぜルーマニアがここまで切迫した事態に陥る懸念があったかというと、同国の経済のEUへの依存度が中東欧諸国の中で突出しているためだ。
EU加盟済みの中東欧諸国のうち、独自通貨を維持している国は5つある。アルファベット順にブルガリア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、そしてルーマニアだが、これらの5カ国の2024年における経常収支のポジションを、政府収支(財政収支)と民間収支に分解して図示すると、ルーマニア経済の脆弱性がよくわかる。
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら