「僕がもしフジの買収に成功していたら…」堀江貴文が明かす、20年前に描いていた"テレビとネットの融合"の青写真
オーストラリア出身の「メディア王」ルパート・マードック氏が、プロサッカーのプレミアリーグ中継で「スカイTV」を大成功させたのはその代表例だが、欧米が先見の明をもってサブスクを伸ばしてきたのに、日本だけがその流れに乗ることができなかったのはあまりにもったいないことである。
現在、ドジャースの大谷翔平選手は10年で1000億円を超える超大型契約を結んでいると言われている。
同じ野球をやっているのに、NPBとはスケールが違いすぎて不思議に思うファンの方も多いだろう。なぜMLBの各球団は選手にそこまで巨額の年俸を払えるのか。これもひとことでいえば、MLBの放映権ビジネスが成功した結果である。
20年前、すでにテレビとネットの融合を考えた
僕が20年前、フジと業務提携を結んだ頃に思い描いていたのは当時、最先端のサービスだった「iモード」に関するビジネスだった。
もともとライブドアは、テレビ東京のiモードサイトを作っていた。毎週木曜日の朝になると、担当者と一緒に虎ノ門のテレビ東京に行って、文句を言われながらも仕事をしていた懐かしい思い出があるのだが、それでも1万人だった会員数をたった1年で10万人に増やした実績がある。
「こんなに会員数が増えるのか……」
当時の僕には確かな手ごたえがあった。
発注側のテレ東子会社にはまったく協力姿勢がなく、本体のテレ東に対する発言力もなかったので、番組でiモードサイトの宣伝などはほとんどしてくれなかった。
それにもかかわらず、これだけ会員数が伸びるということは、テレ東よりはるかに強力なコンテンツを持つフジが一丸となってiモードを推進させたら、数百万人、いや数千万人の会員を獲得できるのではないか――僕はそう考えていたのだ。
もちろん、当時のコンテンツと言えば携帯の着メロだったり、テキストメッセージやちょっとした写真程度のものだったが、いずれ技術革新が訪れ、何らかのデバイスが開発されて、手軽に動画を見ることができるようになることは分かっていた。
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