「避難所に行けば安心」は間違い…? 水害時に命を守る“本当の避難”と、100円ショップでも揃う《防災ポーチ》と《非常用トイレ》のすすめ

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私は研究室で集中して作業できるよう、インスタント食品や栄養補助食品などを常に日常備蓄とローリングストックしており、タオルや飲み物、仮眠用寝袋も常備しています。災害発生時でも在宅ならぬ「在室避難」ができそうです。

災害時に命と人の尊厳を守る「非常用トイレ」

すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑
『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

災害時のトイレ問題は本当に大切です。阪神・淡路大震災のときの避難所では、トイレや手洗い場まで排泄物であふれたといわれています。

在宅避難を選択した場合にも役立つ「非常用トイレ」の使い方を知っておいてください。

災害時は1人1日5回のトイレを目安に、まとめて買える袋や凝固剤などの非常用トイレセットを用意しておきましょう。

凝固剤がなければ、おむつやペット用シートが使える場合も。消臭袋・防臭袋もあるとにおいの問題を減らすことができます。

[使い方]
(1)自宅のトイレに下地袋をかぶせて養生テープで固定
(2)便座をおろしてから排泄袋をかけて用を足し、使用方法を確認して凝固剤で固める
(3)袋を取り出し、空気を抜いてしっかり縛り、ふた付きの容器などに保管してまとめて捨てる
※コーヒーを汚物に見立てて、非常用トイレを使う練習をしておくと安心。

 

(図:『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』より)

非常用トイレとして知られているものの、推奨されない方法があります。たとえばバケツを使う方法はひっくり返すと大惨事になり、庭に穴を掘る方法も衛生上の問題があります。災害時も健康に過ごすために、正しい非常用トイレの使い方を習得しておきましょう。

自然災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。地球温暖化で大雨や台風、猛暑などが激しくなっており、今後も気象災害が増えるといわれています。首都直下地震や南海トラフ地震のような大地震にも、見舞われる日が来るかもしれません。

災害大国の日本に住む私たちは、過去の災害に学び、日ごろから備えておく必要があります。『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』には、読んだ人たちが気軽に備えたり避難したりするきっかけになったら、という想いを込めました。

練習していないことは本番ではできません。たとえば住まいに被害のない雨の予報が発表されたとき、在宅避難の確認や、より安全な親戚宅や宿泊施設などに「練習避難」してみませんか? 災害への対策がより身近になれば、いざというときに命を守ることができ、笑顔で過ごせる未来につながると思っています。

【さらに読む】スーパー台風、線状降水帯、ゲリラ豪雨…日本に迫る危険な水害 《水害発生率98%》時代の今「あなたの町も例外じゃない…」
荒木 健太郎 雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・博士(学術)

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あらき けんたろう / Kentaro Araki

1984年生まれ、茨城県出身。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲のしくみを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『おはスタ』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズ(KADOKAWA)、『空となかよくなる天気の写真えほん』シリーズ、『読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし』などがある。 X・Instagram・YouTube:@arakencloud

 

 

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