台風が近づく大雨の中でのキャンプも忘れられません。
スコップで必死に排水溝を掘り、雨風をしのぐ工夫を重ねる。今なら絶対にやらないでしょうが、これも貴重な経験になっています。
こうした体験を通じて身についたのは、自然を読む力です。
GPSなしでも、地図とコンパスがあれば山を歩ける。太陽の位置と地図の等高線、山の稜線を見て、自分の位置を把握する。ときには道に迷っても、おかしいと気づいて軌道修正できる。この経験は、自分の息子を山に連れて行ったときにも活きました。
少しの擦り傷が次への学びになる
こうした外遊びの価値は、机に向かっていては学べない「生きる力」を育むことにあります。
転ばないと、ぎりぎりのバランス感覚は身につきません。やぶをくぐって少し擦り傷を作っても、それが次への学びになる。つまずきそうな切り株を避ける方法を覚え、滑りやすい斜面での歩き方を工夫する。子どもたちは生き物が大好きで、虫や小動物、鳥との出会いを通じて、自然への理解を深めていきます。
もちろん、大きなけがにつながるリスクは徹底的に管理するべきでしょう。
でも、けがが怖いからといって、小さな失敗や挑戦の機会まで奪ってしまっては、子どもたちの成長の芽を摘んでしまうことになります。
大切なのは、保護者の関心と理解です。「家でテレビを見ていれば静かでいい」と思ってしまうと、子どもたちは貴重な体験の機会を失ってしまいます。
だからこそ私たちは、日常的な外遊びを重視しています。都会の中の小さな自然でも、子どもたちの五感を刺激し、想像力を育み、生きる力を養ってくれるのです。
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