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ビジネス #組織が助長するセクハラ加害

〈二次加害と指摘〉ジャフコはセクハラ加害者に「全社集会で謝罪をさせた」、被害者特定のきっかけを作った事後対応

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ジャフコの三好啓介社長は今年1月、「日本経済新聞」でセクハラ問題について言及。ジャフコ社員の男性比率が高い中で「認識の希薄さがあったことが根本の要因だと思う」と述べている(記者撮影)

鈴木さん(仮名)は困惑を隠しきれなかった。「話すこと自体やめていただけませんか」。そう告げても目の前の男性は一顧だにしなかったからだ。

鈴木さんは大手ベンチャーキャピタルのジャフコ グループに転職した女性契約社員だった。転職後、ほどなくして複数の社員からつきまといなどのセクハラ被害を受けるようになった。

2020年1月。鈴木さんは加害者の上司だった三好啓介取締役(現社長)に呼び出された。加害者である幹部社員に全社員が集まる月例会で謝罪させる。そう告げられた鈴木さんは、セクハラ被害があったと話すこと自体やめてほしいと何度も拒否した。

これに対し三好氏は、「わざわざ鈴木さんにお伺いを立てているわけですよ」と頑なだった。部下の幹部社員が深刻なセクハラ問題を起こしたことが許しがたかったのであろう。だから、社員の前で謝罪をさせる。「そうしなければ示しがつかない」。鈴木さんの心情を慮る様子はなかった。

疲弊していた鈴木さんは、加害者が所属していた投資部門にのみ説明するということであれば、と折れざるを得なかった。

「誰が被害者なのか」が話題に

加害者がほかの社員のいる場で謝罪するに至った理由は、2019年12月の忘年会後に起きた出来事にある。

社内で開かれた忘年会の後、帰宅する鈴木さんを幹部社員と社員の男性2人が呼び止め、鈴木さんのマフラーで首を絞めた。社員はその間に鈴木さんの体を触るわいせつ行為に及んだ。

鈴木さんは会社に被害を訴え、加害者2人もセクハラ行為を認めた。鈴木さんの願いは「普通に働きたい」の一点で、加害者を罰することすら望んでいなかった。

ところがふたを開けてみると、加害者の謝罪は全社集会で行われた。聞いていた話となぜ違うのか。そう問いかけた鈴木さんに三好氏は、「当初から投資部向けではなく、全社員向けの予定でした」と応じた。

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