逆転シナリオは、①党の公認候補選の勝者と韓氏のどちらが大統領選候補にふさわしいかを世論に問い、候補を一本化する、②公約に李在明氏が消極的な大統領任期の短縮を含む憲法改正を掲げ、自身は3年で大統領を辞任することを明言する③最終盤まで李在明氏に批判的な左派勢力にまで支持を広げて「ビッグテント」を張り、接戦に持ち込む、といった内容だった。
だが、もとより②の公約以外はいずれも不確定要素が多く、決して容易ではなかった。
逆転シナリオ、第1段階で崩壊
党の公認候補選で金氏が勝利した際、シナリオを書いた関係者らは「第一関門を突破した」などと歓迎した。金氏が、韓氏らとの候補一本化に積極的な姿勢を見せていたためだ。
しかし、実際に金氏が勝利すると、その直後から事態は急変する。一本化に向けた作業、つまり①に一日も早く進もうとする執行部に対し、金氏は不快感を示し始めた。韓氏と1対1の対面で会談をもつも、一本化の時期や方法などをめぐって折り合わず、短時間で物別れとなった。
金氏と執行部の対立はいっそう先鋭化した。金氏が記者会見で執行部に「強圧的な一本化要求を中断せよ」と迫ると、執行部の一人は「みすぼらしい候補の座を守るために記者会見した姿は……本当に情けない」と罵倒した。
公認候補選を通じ一本化の必要性を強調していた金氏は、なぜ態度をにわかに硬化させたのか。執行部に近い党関係者によると、2つの問題がもつれ、決裂したという。
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