「新婚妻がひた隠す“秘密の部屋”」→「実は《ゴミ屋敷》でした」片付けたいけど、清掃費用が払えない…ついに夫に打ち明けた妻の辿った顛末

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午前中で1階部分の片付けが終わり、夕方にはすべてのゴミとモノが撤去され、家の中は空っぽになった。

新婚ということもあるだろう。見積もり時も作業時も、依頼主の女性に思い悩んでいるような様子はなかったが、片付けが終わるとさらに表情が明るくなった。

「こんなにゴミを散らかしてしまった私の責任なんですが、他人から見たらゴミでも自分にとっては思い入れのあるモノもあるじゃないですか。だから、1人で片付けをしようとしても絶対に無理だったと思うんです。もちろん費用は掛かりますけど、“綺麗なもの”をイーブイさんから買ったような気持ちです。いいものを買わせていただいたなと」(依頼主の女性)

ゴミ屋敷
1階の和室を片付ける様子(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
畳の上に敷いていたフローリング材も剥がし、すっかりきれいになった1階和室(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

「綺麗なものを買った」。この言葉に文直氏は考えさせられた。

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「僕らはこれまで、ゴミ屋敷で悩む人たちの最後の受け皿のような存在でいたいと思っていました。でも、部屋を片付けられない人が無理して自分で部屋を片付けようとする必要もないと思うんです。家事をする時間がない人が家事代行を頼むように、もっと気軽に清掃業者に依頼すればいいし、お金で解決してもいい」

30袋のゴミの処理も10分で終わるかもしれない

現状、ゴミ屋敷清掃業者はゴミ屋敷の住人にとって「最終手段」のポジションにある。しかし、そこまで思い悩む前にもっと早い段階で業者に片付けてもらうのもおおいにアリだ。

「たとえば2カ月間かけて30袋のゴミを処分したとしても、僕らだったらたったの10分で終わる作業だと思うんです。片付けに悩んだり、頑張ったりしなければいけないという決まりはないんです」(文直氏)

依頼主の女性はそのマインドを持っていた。よって、夫に相談し、綺麗なものを買うことができた。そして、救われたのだ。

ゴミ屋敷
2階の寝室も総力戦で片付ける(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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モノやゴミが一層され、生まれ変わった2階の寝室(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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