冗談まじりではあったというが、夫も驚いたことだろう。そうして、ゴミ屋敷の存在がバレることとなり、結果的に資金を援助してもらえることになったのだ。イーブイ代表・二見文直氏の弟で、1階の和室でゴミの仕分けをしていた二見信定氏が言う。
「隠していたけど、相談してみたら上手いこといった。だから、相談するって大事だなって思いますね」

ゴミ屋敷はどこから手を付ければいいのか
この家のように、作業をするスペースすらない部屋を前にすると、一体どこから手を付けていいのか分からなくなってしまう。途方に暮れ、片付けは進まず、またゴミやモノが増えていく。そうならないために、片付けの順番を知っておくといい。信定氏が話す。
「何から片付けるというよりも、どこから片付けていくかを考えるとスムーズに進みます。現場へ見積もりに行った際、“どこから手を付けていいかわからない”という意見はやっぱりよく聞くんです。
あっちもこっちもやろうとすると、結局どこにも手が出せないという結末に陥りがちです。まずは自分の動線を確保する。それから、1カ所ずつ集中して片付けていく。そうすれば達成感も得られて、片付くまでの流れができるんです」

「ゴミ屋敷になっている家を片付けよう」と自分で決意するのもハードルが高い。イーブイに依頼をしてくる人は、引っ越しなどで必要に駆られているケースや、ゴミ屋敷である状況を見かねて親族が代わりに連絡をしてくるケースが多い。
「“自分ではどうしようもない状態”に悩んでいると気持ちもどんどん落ち込んでいくし、部屋の状況もさらに悪化してしまいます。“片付ける”“片付けない”は別にして、一度誰かに相談だけでもすれば気持ちは楽になります。1人で考え込んでいても、いい案はなかなか出てこないですね」(信定氏)


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