エヌビディアは年次開発者会議におけるCEOの強気発言でも市場の不安払拭できず、株価は弱気な「デスクロス」を形成
足元では、DeepSeek(ディープシーク)台頭によるAI投資への懸念やトランプ大統領の関税政策に伴うマクロ経済の不透明感が、エヌビディアなどハイテク大手株価の足かせになっている。ハイテク7社で構成する「マグニフィセント・セブン」に連動する指数は年初来で15%下げている。
エヌビディアのファンダメンタルズは依然として堅調で、予想株価収益率(PER)もここ数年ぶりの水準まで下がった。それでも、投資家の間では、エヌビディアが表明している通りの成長を実現できるのか、見極めたいとのムードが根強い。
根強いディープシークへの懸念
前出のテンタレリ氏は「エヌビディアに対する市場の反応は、経済およびディープシークへの懸念が根強いことを示している」と指摘。「ハイパースケーラーのいずれかが今年明らかにしたAI投資の減速を示唆するようなことがあれば、半導体メーカーにとっては大きな逆風となるだろう」と述べた。
エヌビディアに関しては、GTC後の向こう数週間は株価を押し上げ得る材料がほとんどないことも課題だ。そのため、マクロ経済要因の重要性が増してくる。
エバコアISIのテクニカル分析責任者、リチャード・ロス氏は「おそらく株価を動かす材料は一段と広範にわたるだろう」と指摘。トランプ大統領が相互関税の発表を予定している4月2日を、注目すべき日程として挙げた。
デスクロス形成についてはさほど重視していないとロス氏は話している。エヌビディア株価はしばらくレンジ取引が続いており、トレンドに依存するテクニカル分析がそこまで役に立たないと同氏は指摘。「エヌビディアについてテクニカルな観点から新たな情報を提供しているわけではない」と述べた。
著者:Carmen Reinicke
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