「石破よ、お前もか」 支持率は歴代政権の「末期」に酷似、石破政権に下された"天命"の行方
そして党内基盤が弱い政権は、内閣支持率が高くとも一気に下落する場合がある。
例えば菅政権の発足時の内閣支持率は、毎日新聞と社会調査研究センター、JNNの共同調査によれば64%で、第2次安倍政権発足時(2012年12月)の52%を超えていた。日本経済新聞とテレビ東京の共同調査や読売新聞の全国調査では74%と、いずれも歴代3位の高さを記録した。
だが、人気の急落も激しかった。2021年8月のNHKの調査では内閣支持率は29%と、30%を割り込み、自民党の政党支持率33%を下回った。衆議院の任期満了を前に自民党にとって総理は“足かせ”となったわけで、それを切り離すべく「菅降ろし」が発生した。
それに対し、現在の自民党の政党支持率は内閣支持率よりも低い。朝日新聞や毎日新聞の調査については前述のとおりだが、NHKの調査では内閣支持率36.2%に対して自民党支持率は29.2%、読売新聞と日本テレビの共同調査では内閣支持率31%に対して自民党支持率は26%と、いずれも内閣支持率が上回っている。
また朝日新聞の世論調査では、「10万円商品券配布」問題で退陣すべきなのかという問いに対し、「その必要はない」が60%を占めた。要するに「石破首相の代わりはいない」ということになるが、積極的な意味とはいえない。
すでに"天命"は下された
参議院の改選組の任期は7月28日までで、公職選挙法32条より6月29日から選挙は可能。すでに衆参同日選の噂も飛び交い、「衆議院の解散時期」を算定する日程も出始めている。その影響は政党の枠組みにも及んでいる。
制度疲労を起こしている自民党だけでは頼りないと感じたのだろう。公明党は国民民主党と接近しつつある。「103万円の壁」問題をめぐって昨年12月の自公国幹事長合意が破綻しそうになった2月14日、公明党の西田実仁幹事長が国民民主党の榛葉賀津也幹事長に呼びかけて、2者会談を実現。企業団体献金問題でも両党はタッグを組んでいる。
石破首相は著書『保守政治家 わが政策、わが天命』(講談社)の中で、「総理大臣だけは努力したからなれるものではない。それは天命だ」という田中角栄元首相の言葉を引用し、「天命が下った時に能力が足りないという言い訳は許されない」と記している。すでに“天命”が下った今、難局を乗り越える能力はいかに。
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