「船井電機突然の破産」スポンサーや社長が相次ぎ交代した上に創業家と経営陣とのバトルも勃発、その真相と顛末

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さらにだ。ミュゼ売却のタイミングで、前述の中村氏のほか、船井電機との関係がまったくわからない4人が取締役に就いたことで、より一層信用力が低下してしまう。

こうした一連の件に関し上田氏は、「信頼していた中村氏からの紹介だったので、調べもせず承認してしまった」と語る。だが唯一の株主として取締役の選任権を有していた上田氏の責任は大きい。

結局、上田氏は船井電機の再建を果たせずに断念。9月27日、秀和が連帯保証している分について引き取ってもらうことを条件に、船井電機の株式をEFI株式ファンドに1円で譲渡した。

創業家と経営陣がバトル

だがこれで終わりではなかった。新たに代表に就任した元環境相の原田義昭氏らが、破産申請をした創業家出身の船井秀彦氏らにバトルを仕掛けたからだ。

原田氏らは、10月の破産決定に異議を唱えて即時抗告を申し立てたほか、民事再生法の申請も行うなど徹底抗戦の構えを見せていた。とはいえ即時抗告は退けられ、民事再生に関しても3月14日に棄却されている。

すでに従業員が解雇されている中で原田氏らが民事再生にこだわっていた理由は不明だ。一部では、「大阪の船井電機本社の売却計画が進んでおり、会社を存続させることで売却益を得ようとしているのではないか」との観測も出ていた。

船井電機をめぐる泥沼の破産劇はいまだ収束しそうにない。だが一連の事態を俯瞰してみれば、船井電機という企業を利用して儲けよう、と考えた人たちが群がったように見える。そこに「世界のFUNAI」復活を本気で目指そうとした人はいなかった。

本記事はダイジェスト版です。取締役の変遷や関係図などを盛り込んだ詳報記事は「東洋経済オンライン」のサイト上でご覧いただけます。

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髙岡 健太 東洋経済 記者

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たかおか けんた / Kenta Takaoka

宮崎県出身。九州大学経済学部卒。在学中にドイツ・ホーエンハイム大学に留学。エンタメ業界担当を経て、現在はM&Aや金融業界担当。MMTなどマクロ経済に関心。

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