セブン「創業家MBO」が破談、金策難航とすれ違い 過去最大のビッグディールが頓挫した真相

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クシュタールに対する有力な買収防衛策とみられたMBO。破談となった内幕とは(撮影:梅谷秀司)

史上最大のMBO、「9兆円ディール」の内幕は――。

カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールからの提案で幕を開けた、セブン&アイ・ホールディングスをめぐる買収劇。昨年11月には伊藤順朗副社長ら、創業家からのMBO(経営陣による買収)提案も明らかになり、一時は争奪戦の様相を呈していた。

しかし、今年2月末に局面が変わった。伊藤順朗副社長をはじめとする創業一族は2月27日までに、「買収に関する正式提案に必要となる資金調達の目途が立たなくなった」とセブン&アイに通知。クシュタールに対する有力な買収防衛策とみられたMBOが白紙となったのだ。

融資金額は削られ、利率も倍に

本件の最大の課題は始めから終わりまで、金策だった。

伊藤忠商事がエクイティ(自己資本)提供者として1兆円以上を拠出し、非公開化後のセブン&アイ株式の3割超を保有する方針が明らかになるなど、一時は順調と見る向きもあった。

しかし伊藤忠以外の出資者が集まらないなど、エクイティの調達が難航。当初、好条件を提示していたメガバンクらも融資リスクが高まるにつれ、融資枠を削っていき、利率も倍以上に膨らんでいったようだ。

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