「チョコザップ」の大量出店を阻む“2つの誤算”、トレーニングマシンの故障率上げたビジネスモデルの盲点、赤字脱却へ”肉体改造”できるか

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2つ目の誤算が、追加コストの発生だ。エアコンやトイレなどの設備メンテナンス頻度が想定をはるかに超えた。エアコン故障などは緊急を要するため、割り増し費用を払って修理した。猛暑となった昨年夏はエアコン修理に月1億円を投じたという。

フィットネスマシンの故障対応では、二度手間、三度手間が生じていた。無人店であるチョコザップでは、会員から故障の情報が寄せられるが、情報の精度にはばらつきがある。運営スタッフが現地に行っても、最適な部品や修理するスキルを持ち合わせていないといったことが起きていた。

写真は2024年2月撮影。人気のあるランニングマシンが故障ですべて使えないという状態も店舗では起きていた(記者撮影)

無駄を減らして肉体改造

これらの問題を受けて、チョコザップは大量出店と広告を抑制し、コスト構造の見直しを図っている。補充が追いつかなかったドリンクバーサービスは終了し、年間3億~4億円のコスト削減を見込む。店舗備品を自社配送することも試行中だ。

フィットネスマシンの故障対応では、自社開発の故障しにくいマシンの導入を進めている。全店舗のマシン総台数に対する故障と不具合のあるマシン台数の割合は、昨年11月時点では6.1%だったのが足元では1%を下回っている。

「いろんな要因が重なっているとはいえ、無駄がすごくあった」と瀬戸社長は自省する。2025年度も出店と広告は抑制する見込みだが、コスト構造の改善により、チョコザップ事業は黒字化が見込まれている。理想のあるべき姿にチョコザップを肉体改造できるのか。まさに今が分水嶺だ。

本記事はダイジェスト版です。詳報記事(有料会員限定)は「東洋経済オンライン」のサイトでご覧いただけます。瀬戸健社長主催の「あるべき姿会議」の目的や、「チョコザップ事業の評価」を語る社外取締役インタビューなどを取り上げています。

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緒方 欽一 東洋経済 記者

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おがた きんいち / Kinichi Ogata

「東洋経済ニュース編集部」の編集者兼記者。消費者金融業界の業界紙、『週刊エコノミスト』編集部を経て現職。「危ない金融商品」や「危うい投資」といったテーマを継続的に取材。好物はお好み焼きと丸ぼうろとなし。

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