「女の人も自分と同じ人間なんだ…!」53歳で初婚に至った大企業・理系エリート男性がついに気づいた”重大な事実”

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2023年のゴールデンウイークに2人が急接近する出来事があった。鎌倉を歩くイベントに2人で参加して、終了後にクタクタになって夜遅くまで居酒屋で飲んでいたときのことだ。由香さんはさすがに気になって、「彼女さんは大丈夫なんですか」と典明さんに質問。「えっ!? 彼女なんていないですよ」という意外な答えが返ってきた。驚きつつも典明さんの今までの言動が腑に落ちた由香さんは「よかったら私を彼女にどうですか?」と提案。典明さんは少し考えた末、「歳も歳なので」と結婚を前提とした交際をすることに決めた。

典型的な「昭和の男」だった典明さんの気づき

口ひげが似合う典明さんは静かでダンディな印象の男性だ。大阪出身で理系の大学院を卒業してから大企業のグループ会社に就職して現在に至る。結婚の経験はない。

「20代30代の頃は何度か交際したことがあります。でも、私は頭が固くて相手に求めるものが多かったのです。彼女にはもっとおとなしくしてほしいと思って、細かいことを言いすぎたり……。あるときに『女の人も自分と同じ人間なんだ。自分が言われたくないことを相手に言ってはいけない』と気づいたんです。40代半ばになっていたので遅すぎました」

実際には遅すぎることはなかった。表面的には自己主張が強く見える由香さんの本質的な優しさに気づけたからだ。由香さんは精神障害で入院中の姉の様子を見守りながら、認知症を患う母親と一緒に暮らし続けている。

「大変だな、一人でけなげに頑張っていて偉いな、と思いました。この人はハキハキと話してちょっと怖そうに見えるのですが、本当はいろんなことに気を遣う人なんです。尊敬しています。いい人に巡り合えたな、と思っています」

手放しで由香さんを褒める典明さん。かつては典型的な「昭和の男」だったは思えない。苦労をねぎらわれた由香さんは傍らで涙を流している。

「典明さんは我が家に来て母にも会ってくれて、電球の交換などを嫌な顔をせずにやってくれるんです。本当に感謝しています……。前の結婚のときは、姉の精神障害のことを知った義理の母から『やっぱりあなたもそういうのを持っているの?』と言われたことがあります。前の夫の子どもは産まないと心に決めました。典明さんは子どもが欲しかったはずですが、私たちはこの年齢なので、一緒にいられる一瞬一瞬を感謝するしかありません」

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