日産が社長交代発表、内田氏「じくじたる思い」 新社長に46歳のエスピノーサ氏が就任へ

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ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストはリポートで、新経営体制への移行は日産にとって「経営課題解決への新たな第1歩となる」と評価。新社長となるエスピノーサ氏は、自動車会社の経営の根幹を担う商品戦略の経験が豊富で、売れる車に乏しいという日産の本質的な問題解決に適任とする一方、資金繰りの確保と財政立て直しは待ったなしで、社長をはじめとする経営トップのもと迅速な対応が求められると指摘した。

リストラ

主力市場である米国や中国での販売不振で業績が急激に悪化する中、日産は大手格付け会社による格下げが相次ぐなど信用リスクも高まっており、新社長は難局での登板となる。自動車業界では電気自動車やソフトウエアの開発に巨額の投資が必要で、費用を分担するパートナー探しも新社長の重要なミッションとなる。

内田氏 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

商社出身の内田氏はカルロス・ゴーン元会長の逮捕・起訴などで混乱していた19年12月に社長に就任。世界的な半導体不足に伴う生産制約や円安といった追い風もあって一時的に業績は持ち直したが、商品ラインアップの高齢化や比亜迪(BYD)など中国勢の台頭で再び業績が悪化し、世界で3工場の閉鎖や9000人の人員削減を伴うリストラに追い込まれた。ホンダとの交渉はわずか1カ月余りで頓挫するなど内田氏の経営トップとしての資質を疑問視する声も上がっていた。

副社長を務める坂本秀行氏、星野朝子氏、中畔邦雄氏の3人のほか、経営戦略などを担当するチーフストラテジー&コーポレートアフェアーズ・オフィサーを務める渡部英朗氏が3月31日付で退任することも発表した。坂本氏は内田氏と同様、6月に開催予定の定時株主総会まで取締役を継続するという。

著者:稲島剛史

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