不眠や悪夢だけじゃない「楽しい夢」に潜む"危険" うつ病になった精神科医が伝える「発症の兆し」
体が重だるくなるのは、「このままだと病気になってしまう」というサインです。
もし、あなたが重だるくて起きられない朝を過ごしているのなら、少し体を休めてみてください。それでも症状が変わらず、1週間も2週間も続いているなら、1人で悩まず、病院やメンタルクリニックに相談してください。
うつ病と聞くと、「気力がなくなり、落ち込んでなにもする気にならない」というイメージが強いかもしれませんが、逆に感情的になってしまうこともあります。
いつもなら笑って許せるようなことにイラッとしたり、急に切ない気持ちになって涙が止まらなくなったり……。私もイライラしたり、悲しくなったり、まるで「感情のジェットコースター」に乗っているように感情が上下しました。「自分らしくないな」とわかっていても、自分を止められないのです。
では、感情はどこで生まれるか、ご存じでしょうか? 感情は、大脳辺縁系にある扁桃体と呼ばれる部分で生まれます。扁桃体は、外から入ってきた情報や刺激を「好き・嫌い」「快・不快」などと判断し、「うれしい」「悲しい」「イライラする」といった感情を作ります。
ただ、こうした動物的な感情だけで行動すると危険を伴う場合もあります。そこで、前頭葉の前頭前野という部分が扁桃体の働きをチェックし、理性的にいさめる役目を果たしているのです。
例えば、上司から仕事で注意を受けた時に、扁桃体が「ムカつく!」と暴走するのを放っておいたら、上司と喧嘩になりかねません。そこで、前頭前野が「そんなに怒らなくていいじゃない。落ち着こうよ」と抑えてくれます。
脳が元気な状態であれば、扁桃体も前頭前野もうまく働いて、普段通りの日常生活を送ることができます。でも、脳が疲れていて前頭前野の働きが落ちると、扁桃体の暴走を抑えることができなくなります。特に、怒りや悲しみは強い感情で、ネガティブな方向に引っ張られてしまうのです。
あなたは、イライラしたり、落ち込んだりしていませんか? もし思い当たるなら、きちんと睡眠を取ったり、散歩をしたりして、脳をいたわってあげましょう。
楽しい夢が「うつ」のサインだった
突然ですが、あなたはどんな夢を見ますか?
じつは、眠りの質が下がると、嫌な夢ばかり見るといわれています。その理由は、寝る直前のネガティブな気持ちが夢に影響を与えるからです。
悩み事や嫌なことがあると、布団に入ってもいろいろ考えてしまうもの。悪いことばかりぐるぐると反芻し、さらに気持ちは落ち込んでしまうのです。
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