「12年付き合った彼女と破局」34歳彼の"絶望の先" 「結婚したいタイミング」の大きすぎる影響

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「理由はくだらないことが多いです。料理はいつも慎吾くんが作ってくれるのですが、私が炊飯器で甘酒を作ろうとしているときに急にお腹がすいてご飯を炊いてほしくなったんです。慎吾くんにお願いしたら、『ゴハンぐらい自分で炊けば』と冷たく言われたので怒ってしまいました」

本当にくだらない理由だが、理系の慎吾さんはいつもロジカルで言い方がキツイと加奈さんは主張する。慎吾さんのほうは「加奈さんは感覚重視の気分屋。かわいいところでもあるがやっかいなところでもある」と余裕の構え。確かに年齢差を感じない夫婦である。

兄と一緒に年下の慎吾さんに甘える日々

さらに言えば、加奈さんの兄も慎吾さんに甘えている。年末年始は2人の家に「帰省」。慎吾さんの手作りおせちを食べながら3人で仲良くテレビを見て過ごした。しかし、別々の部屋で寝ようとしたら、加奈さんのスマホに兄からLINEが入った。本当はお腹がすいていたので慎吾さんの料理をもっと食べたかった、というのだ。これには男気がある慎吾さんが怒った。

「さっきまで一緒にテレビを見ていたんだから、『お腹がすいたから何か作って』と僕に直接言えばいいじゃないですか。それを妹にLINEするなんて……。なんて女々しいやつなんだと思って、説教LINEを送りました」

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兄は素直に「すみませんでした」と詫びて、一人暮らしの家に帰っていったという。ちなみに慎吾さんは15年上の義兄を「アニ」と呼んでいる。

「敬語を使うのも違うかなと思っています。そのときも怒りはしましたが、『またね』と言って見送りました」

年上の結婚相手に甘えることを諦めた加奈さんだが、新しい友だちやパートナーを探すことは諦めなかった。趣味が一致して、無理なく一緒にいられる人を選んだところ、慎吾さんという「当たり」を引き当てた。今でははるか年下の慎吾さんに兄と一緒に甘えている。

年齢などのスペックはいったん脇に置き、自分の感受性を大事にして人との出会いを素直に楽しむこと。それが想定外の幸せにつながるのかもしれない。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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