ホンダ「WR-V」魅力的な250万円以下を捨てる訳 約1年という短期間でマイナーチェンジを実施

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258万600円となり、250万円以下ではなくなったZ+ ブラックスタイル
258万600円となり、250万円以下ではなくなったZ+ ブラックスタイル(筆者撮影)

つまり、一部改良型のWR-Vは、当初の売りだった「全タイプ250万円以下」ではなくなるのだ。では、なぜホンダは、価格アップをしてまで特別仕様車などの改良型を出したのか。おそらく、その理由には、原材料費の高騰などもあるだろう。WR-Vはインド生産のため、一概にいえないが、可能性は十分にある。また、あくまで私見だが、これも先に述べたとおり、今回の改良が主に内装系を中心としていることもポイントでと思う。

とくに、WR-Vが属するコンパクトSUVのジャンルには、競合車種が目白押しだ。たとえば、トヨタの「ヤリスクロス」や「ライズ」、ダイハツ工業の「ロッキー」、そして2024年10月には、スズキから「フロンクス」も登場した。いずれも、価格が比較的リーズナブルなだけでなく、内装などにもある程度の質感が求められる傾向にあるのがこのジャンルだ。そんななかで、WR-Vは、おそらく今まで価格面で比較的優位性を保っていた。

内装の質素さの改善を優先

だが、内装などについては比較的質素な印象は否めない。とくにWR-Vより後発で、同じインド生産のフロンクスは、内装の上質感にも定評がある。都会的な雰囲気を持つフロンクスは、外観スタイルこそWR-Vと異なるが、十分に比較対象となる可能性は高い。そんな背景のなか、ホンダとしては「250万円の壁」を破ってでも、内装のグレードアップを施すことで、「WR-Vのウィークポイント」を補いたかったのではないだろうか。

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それだけ激しいシェア争いが繰り広げられているのがコンパクトSUVのジャンルだといえる。登場したばかりの特別仕様車ブラックスタイルなどの新戦力、そして2025年夏ごろに出る「Z+」や「X」の改良版が、これから市場にどんなインパクトを与えるのかが今後注目だ。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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