
つまり、一部改良型のWR-Vは、当初の売りだった「全タイプ250万円以下」ではなくなるのだ。では、なぜホンダは、価格アップをしてまで特別仕様車などの改良型を出したのか。おそらく、その理由には、原材料費の高騰などもあるだろう。WR-Vはインド生産のため、一概にいえないが、可能性は十分にある。また、あくまで私見だが、これも先に述べたとおり、今回の改良が主に内装系を中心としていることもポイントでと思う。
とくに、WR-Vが属するコンパクトSUVのジャンルには、競合車種が目白押しだ。たとえば、トヨタの「ヤリスクロス」や「ライズ」、ダイハツ工業の「ロッキー」、そして2024年10月には、スズキから「フロンクス」も登場した。いずれも、価格が比較的リーズナブルなだけでなく、内装などにもある程度の質感が求められる傾向にあるのがこのジャンルだ。そんななかで、WR-Vは、おそらく今まで価格面で比較的優位性を保っていた。
内装の質素さの改善を優先
だが、内装などについては比較的質素な印象は否めない。とくにWR-Vより後発で、同じインド生産のフロンクスは、内装の上質感にも定評がある。都会的な雰囲気を持つフロンクスは、外観スタイルこそWR-Vと異なるが、十分に比較対象となる可能性は高い。そんな背景のなか、ホンダとしては「250万円の壁」を破ってでも、内装のグレードアップを施すことで、「WR-Vのウィークポイント」を補いたかったのではないだろうか。

それだけ激しいシェア争いが繰り広げられているのがコンパクトSUVのジャンルだといえる。登場したばかりの特別仕様車ブラックスタイルなどの新戦力、そして2025年夏ごろに出る「Z+」や「X」の改良版が、これから市場にどんなインパクトを与えるのかが今後注目だ。
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