ここ知ってる?京都の意外な「鉄道スポット」4選 鉄道博物館だけ見て帰るのはもったいない
コンセプトを聞いてなるほど、と思った。1階の運転台があるほうは線路側、カウンターはホーム側で、天井から吊り下げられた案内表示は乗客がいるホーム側からよく見えるようになっている。天井と床も、それぞれホームと線路でラインが分けられている。
「大部分は業者さんに作ってもらいましたが、こんなコンセプトはなかなか伝わらないので、毎日現場に通いました。駅に柱は不可欠だと思ったので、柱は造作。柱に備え付けられた非常停止ボタンやスイッチは全部生きています。集めた部品たちは現役時代を彷彿とさせるような飾り方をしよう、というのが大前提にありました」
線路側に位置する455系交直流両用急行型電車の運転台は実際に座ってレバーなどを動かすことができる。頭上には能勢電で使われていたパタパタ式案内表示器が、まさにパタパタとせわしなく動いている。配線は自分でやっているそうだ。

新幹線がコンセプトの2階は、ずらりと並んだ新幹線の座席に座ってドリンクなどを楽しむことができる。
このときは、グループで来ている男性客が、壁に設置された車内放送用受話器で「車掌ごっこ」を楽しんでいた。アナウンスのあまりのうまさに驚いていたら、現役の車掌さんたちだった。
このカフェは普段から鉄道会社の社員もかなり多く訪れているらしい。「休んでいる気がしない」と言いつつも、彼らは実に楽しそうだ。
まるで「京都鉄道博物館の別館」
3階は0系新幹線の団子鼻カバーが壁面に飾られていた。私が一度だけ乗車した、2020年引退の上越新幹線「走る美術館」こと「現美新幹線」の座席などもあった。
「ここは京都鉄道博物館の別館ですよ」と話す常連の客。数々のコレクションとその見せ方は、まさにその表現がふさわしいと思った。

カフェはどんどん進化している。それまで食事メニューはなかったけれど、今はカレーやパスタなどが提供されるようになった。
私が行ったときは、2階の新幹線席の壁側の窓は穴が開いているだけだったが、現在は車窓の映像を流しているそうだ。まるで乗車しているかのような感覚、それも最初から計画していたことなのだろう。
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