ここ知ってる?京都の意外な「鉄道スポット」4選 鉄道博物館だけ見て帰るのはもったいない
一番感心したのは、それらの設置や展示の仕方が大変センスよく、古さを感じさせないところだった。
こう言うと語弊があるかもしれないが、鉄道の備品などを数多く飾ったお店は、どうしてもその時代感が出てしまう。古き良き昭和のレトロな雰囲気で、そちらももちろん好きである。
しかし同年代の備品を飾っているにもかかわらず、この店は垢抜けている。どんな人が作ったのか、どんなカフェになったのか。俄然興味を持った。

開店から3カ月、ようやく訪ねることができた。3階建てのお店の1階はスカ色(横須賀色)に塗られていて、扉のガラスを通して店内に設置された運転台が見える。
店主の安済武尊さん(29歳)は、それまで関東の鉄道会社に勤めていたという。
「小さい頃から鉄道が好きで、ずっと鉄道部品を集めていたんです。学生時代はバイト代を、社会人になってからは給料のほとんどを、これらの鉄道部品を買い集めるのに使いました」
「自分の鉄道コレクションを披露したい」
自宅はコレクションでいっぱい。しかしこれらを個人宅にただ置いているのでは、部品たちがかわいそう。将来的に集めてきたものを、どこかで披露し、誰かに喜んでもらえれば……という思いが芽生え始めた。
「関東の人間ですが、京都が好きで、よく旅行に来ていました。カフェを開くにあたり、最初は江ノ電の線路沿いなど探しましたが、なかなか物件も出ず、予算的にも合わないものが多かった。ほかに電車が見える物件を探していたら、京都の梅小路から5分という物件を見つけたんです。目の前に貨物線もあり、ここに決めようと」
勤めていた会社を辞め、京都に移住してカフェを経営するに至るまで、かなりの決断力と行動力が必要なはずだ。カフェの設計も、大学などで空間デザインを学んだりしたのかと思ったら、そうではないという。

「デザインの勉強はしていませんが、コンセプトはしっかり考えました。1階は『駅』、2階は『新幹線の車内』。3階は特にありませんが、どういう展示方法にすれば、収集したものがそれぞれ生かされ、きれいに見えるか、ということは考えています」
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