スキルを"身に付けるだけ"で終わらせない心得 組織開発コンサルタント・勅使川原氏に聞く

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他方、転職や独立を前提にプレーヤーとしてスキルアップを望む場合はどうか。やはり重要なのは、「自分が移りたいと思うフィールドで、何が評価されるか」だ。

求められるスキルが、例えば「データ分析」「デジタルマーケティング」のように具体的に示されているとしたら、それを学んで身に付けるのもいいだろう。加えて、自分の仕事を“社会学する”ことを勧めたい。自分は業務の中で本質的に何をやってきたのか、サクセスファクターは何なのかを抽出し、それが他業種でどういうふうに生かせるかを考える。

スキルはあくまで「食材」

スキルは食材、自分は料理人だと考えたらわかりやすい。「デジタルマーケティング」は急ごしらえだとしても、これまで培った「混乱の中で物事の優先順位を決める力」「社内政治を乗り越える力」など、中高年が持つ能力やスキルには、今の若い人にはないものも多い。そして、仕事の成果は、それらの食材をどう組み合わせて料理するかによって決まる。

40代、50代の転職希望者が「自分はまだまだなんで」などと言っていてはいけない。勤続20年だとしたら、「御社が始める新しい業態に足りていないものが、実は自分の20年に詰まっています」と言えるほうが魅力的だ。かなり厳しい環境下でやってきた世代なのだから、それを武器にし、採用側との共通言語にしていく。

今のような成熟社会では、ゼロから何かを生み出すより、掛け合わせで面白くしていく力が求められる。その言語化が重要だ。

(聞き手:山本舞衣)

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山本 舞衣 『週刊東洋経済』編集者

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やまもと まい / Mai Yamamoto

2008年早稲田大学商学部卒業、東洋経済新報社入社。データ編集、書籍編集、書店営業・プロモーション、育休を経て、2020年4月『週刊東洋経済』編集部に。「経済学者が読み解く現代社会のリアル」や書評の編集などを担当。

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