富士フイルム、5万円超の高級「チェキ」発売の勝算 デジタル全盛期にあえてアナログの"逆張り"

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2月に新発売したインスタントカメラ「チェキ」の最上位モデル「instax WIDE Evo」。想定価格はシリーズ最高の5万5000円と高額だ(記者撮影)

富士フイルムは2月6日、インスタントカメラ「チェキ」の最上位モデル「instax WIDE Evo」を発売した。想定価格はシリーズ最高の5万5000円。これまでの最上位モデルは2万8600円で、新製品は2倍近い価格になる。27日時点で、一部量販店では予約上限数に達し注文ができない状況など、売れ行きは上々だ。

新製品は100通りの撮影エフェクトを搭載し、30代の男性をメインターゲットに撮影体験にこだわりを持つ層を意識している。手動でクランクをギリギリと巻き上げてプリントを出力する、フィルムカメラのアナログ感をあえて残したギミックも特徴的だ。カチカチと心地よいダイヤル音や、軽快なシャッター音など、隅々にこだわりがみられ、スマートフォンに慣れ親しんだ世代には新鮮に映り、フィルムカメラ世代には懐かしさを感じさせる。デザインや機能性を追求した「大人のチェキ」だ。

男性や30~40代の“大人”にファン拡大

世界的にチェキの販売は好調だ。デジタル全盛の時代に、撮り直しのきかないアナログならではの体験価値が評価されている。2023年度には3期連続で過去最高となる売上高1500億円を達成(フィルムやアクセサリーを含む)。2024年度も記録更新が確実視され、累計販売台数は1億台の大台を超える見通しだ。

チェキ本体の価格帯は1万円~3万円程度。ラインナップは増え続けており、新製品を買い足す人も多い。2023年度も2024年度も5台の新モデルを投入し、現在13製品を展開する。

富士フイルムのイメージングソリューション事業部統括マネージャーの高井隆一郎氏は「従来のメインユーザーは若い女性だったが、ここ数年で男性のユーザーが増え、年齢層も30代や40代に広がってきている」と話す。

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