「目のマッサージ」「眼筋ほぐし」は効果があるのか 「目薬」の効果の多くも感覚的なものにすぎない

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醤油も大量に飲めば危険だということに似ていると著者は述べているが、つまり浴びる量の問題だということだ。

これも意外ではあるが、アメリカ眼科学会ではブルーライトをカットするメガネには十分なエビデンスがないということで推奨していないのだそうだ。

とはいえ、ブルーライトカットメガネをかければ目に入る光の量は減る。私たちは目に強い光が入ってくると、感覚的にまぶしいと感じたり疲れたりするので、単に光量を減らすという意味では目を楽にしてはくれるのだろう。

メガネやパソコンで光量を調節する

しかし、それはブルーライトカットではなくても、グリーンライトカットでもグレーライトカットでも同じです。それこそ、薄い色のサングラスでも構わないのです。サングラスは幅広い波長の光を減らしてくれます。あるいは、パソコンのモニターのほうを調節して、光量を減らしてもいいですね。(213ページより)

なお、よく知られているように、夜寝る前に青い光を浴びすぎると睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されて眠れなくなることがある。したがって、寝る前にブルーライトカットメガネを使うことには一定の意味があるということだ。

とはいっても、ベッドでブルーライトカットメガネをかけるのもなんとなく違和感があるのではないだろうか。そう考えると、スマホのナイトモード機能を使ってブルーライトを減らすのが現実的なのかもしれない。

いずれにしても、刺激的な情報に翻弄されることなく、エビデンスを重視するべきなのだ。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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