「目のマッサージ」「眼筋ほぐし」は効果があるのか 「目薬」の効果の多くも感覚的なものにすぎない
目薬の中には日本でしか配合が認められていない成分もあります。充血を取る血管収縮剤がそれにあたります。注すと白目がすぐに白くなりますが、炎症を根本的に治療しているわけではありません。(202ページより)
「目のマッサージ」「眼筋ほぐし」は効果的?
日本では近年「眼筋マッサージ」や「眼筋ほぐし」が受け入れられているようだが、これもまた日本だけの流行であり、海外ではほとんど聞かないことなのだそうだ。
たしかに、体の筋肉をほぐすと気持ちがいいものである。筋肉は血流が途絶えていたり、硬直して拘縮していたりするときには、圧迫したり刺激したりすることでほぐされることがある。すなわちそれが、筋肉マッサージの意味だ。
またマッサージは、トレーニング後の回復を早めたりもする。血流を促し、乳酸などの老廃物がそこから早く排除されるという理論であり、実際にエビデンスも出ているようだ。
しかし、眼球のマッサージについては、エビデンスを私は知りません。「目を押さえると気持ちがいい」と言う人がいますが、脳がそう感じているだけで、何か根拠があるわけではありません。むしろ、不必要に力を加えて目の形を変えるのは、ネガティブな行為です。(207ページより)
眼球を圧迫すると、一時的に眼圧が上昇してしまうのだという。眼球心臓反射というもので、心臓の脈拍を落とすこともあるというのでデメリットのほうが大きそうだ。
目の周りの筋肉をもむのも、肩をもむと気持ちいいのと同じです。もし気持ちがいいのであればどうぞ、というだけで、血流改善などの効果はあっても、何か病気を治療する効果はありません。(201ページより)
また、「眼筋をほぐすメガネ」なども欧米にはないようだ。それどころか、学術論文で目の周りのマッサージの医学的効果を研究したものも見たことはないと著者は述べている。
どうしてもマッサージしたいのであれば、もんだりほぐしたりするのではなく、目の周りをやさしく圧迫する程度にとどめておくべきだという。それなら、一般的なマッサージと同じく血流の改善、緊張の緩和やリラックス効果が期待できる場合もあるからだ。
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