ウーバー配達員に「清潔感ない」と思う人への本音 肉体労働者に「汚い・臭い」非難は適切なのか

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例えば「バッグを床に置くな」という御指摘は、正直に言って、かなりの無理難題だ。飲食店の受け渡し口で、バッグを置くための適度なテーブルや椅子がある保証はない。配送先の玄関口なら尚更だ。毎回バッグを抱えたまま、商品を出し入れするのは不可能だし、それこそ商品を転倒させてしまう可能性もある。

注文が来るのを待っている時も、ケースバイケースで床に置かせてほしい。実はウバッグは空の状態でも、重さが3キロ近くもある。ここからさらに商品の重量を加えて、自転車配達員ならペダルを回す。体力を温存できるときに温存しないと、身が持たない。

ブルーカラーの仕事は文字通り「体力勝負」な側面があり、ホワイトカラーの仕事とは「疲労感の種類」が大きく異なる。

配達員の容姿についても、悪天候時は大目に見てほしい。例えば雨の日は、レインコートを着用してようが濡れるときは濡れる。髪型がボサボサになるなど、みすぼらしい容姿になることは避けられない。

他にも、例えば夏場の炎天下では、外に出て1分もすれば汗をかく。朝と夜にシャワーを浴びている僕ですら、夏場は少し臭いが気になる。異臭を感じたときはデオドラントシートを使っているが、僕が僕の臭いに気が付く前に、不快な思いをさせてしまうかもしれない(そのときは本当にごめんなさい)。

でも、どれもが商品を届けようとした結果なのだ。そこだけはご理解いただきたいところだ。

配達員に、多くを求めすぎている?

僕たち配達員が改善すべき点は山ほどある。ただし多くの人が「ウーバー配達員は常識が足らな過ぎる」と嘆いてるように、ウーバー配達員もまた「みんな現場を知らな過ぎる」と嘆いてる。この流れを、僕は変えていきたい。

雇用の受け皿として機能しているウーバーイーツ。改善すべきところも多いが、配達員を続けている人の中には感謝している人も少なくないと思う。広くて深い「器」になってほしいと願いながら、今日も僕はウーバー配達員兼ライターとして、泥臭く活動している。

【もっと読む】「ウーバー配達員になれて良かった」と僕が思う訳 「負け組ランドセル」と嘲笑う人に伝えたい"本音" では、ウーバー配達員を「辞めたくない」と考える理由について、現役ウーバー配達員ライターの佐藤大輝氏が赤裸々に語っている。
佐藤 大輝 ライター・ウーバー配達員

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さとう・だいき / Daiki Sato

23歳と29歳の時、所属していた企業(美容業・物流業)から解雇を通達され、訴訟を提起。それぞれの会社と約2年間裁判で争った経験を持つライター。ブラック企業問題を解決したいという願いから、裁判後はライターに転身。労働問題のほか、「再雇用戦士」「子供部屋おじさん」「インド駐在員」など、働き方や生き方に関する取材記事を執筆。趣味は海外旅行で、37カ国へ渡航。

X:@do69951367

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