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「総理はビビッてはいけない」と焦る日銀総裁 宮澤喜一と公的資金⑥

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自民党軽井沢セミナーで講演する宮澤喜一首相(写真:共同)

1992年8月30日。軽井沢での自民党セミナーに、首相の宮澤喜一は満を持して登壇した。過去最大となる10兆7000億円の総合経済対策が2日前に発表され、日経平均株価は1万8000円近くまで回復していた。宮澤はこの機に「危機の本質」を伝えようと心に決めていた。

「市場経済が正常に機能しない時に、しかるべき方途を考えることは、政府、中央銀行の当然の責務だ。銀行が持っている不動産をどう流動化するか、金融機関が知恵や金を出し合ってやるのが一番好ましいが、必要ならば公的援助をすることにやぶさかでない」

「銀行を救済するのではない。国民経済の血液たる金融がうまく動かなければ迷惑するのはお互いだ。国民経済全体のためならば、あえて辞するものではない。ただし、そのためには銀行で十分に公的使命を考えてもらわなければいけないし、どれだけの不良資産を抱えているのか、ディスクロージャーもしてもらわないといけない」(92年8月31日付朝日新聞より)

株価急落によるパニックは回避できたが、金融システムにはもっと根深い問題がある。講演のキーワードは「公的援助」である。

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