3回の「初代大統領」を務めたモンゴル人政治家 モンゴルの移行期を背負ったオチルバト大統領の軌跡
彼ら母子がウランバートルで居を構えたのはアムガラント地区である。ここは清朝時代、貿易のために漢人に居住が許された特別地区であった。
「ポンソルマーギーン」という名前の由来
ところで、彼の名のポンソルマーギーン・オチルバトは、ポンソルマー(女性)の息子という意味なので、一見、私生児ではないかとの印象を与える。小学校の入学手続きでそうなってしまった。ことの顛末は、彼によれば以下のようなものである。
さらに、日本人のためにはもう1点解説を加える必要がある。母は再婚していたので継父が生きていたけれども、その名を告げなかったということだ。モンゴルでは父母が再婚しても、元々の実父の名を姓とする習慣があるためだ。
だから、もし、両親がそれぞれ連れ子をして再婚した場合、その家族の姓は、母の姓は母の父の名、父の姓は父の父の名、母の連れ子の姓は前夫の名、父の連れ子の姓はこの父の名、というように、ファミリーネーム(姓)に相当する名が4つ混在することになる。
オチルバト氏には実父と継父がいたけれども、小学校入学手続き時以来、母の名を姓としてきたのだった。
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