――今回の騒動の余波はいつまで及びそうでしょうか。
短期的には今後数カ月は「リーダーシップ不足」という問題を解決できません。平時には大韓民国という船は決められた航路に従って問題なく進みます。
しかし、急激な環境変化にはうまく対応できません。トランプ新政権が発足したことも不安材料となるでしょう。トランプ大統領が打ち出す新たな「ディール」(交渉)に適切に対応できない可能性が高い。
中期的には、大統領選挙などの選挙において、野党側はアメリカに挑戦的なことを主張しますが、実際にはそうした反米の傾向は内包していません。一方で、革新系が持つ反日ナショナリズムは彼らの本能だと言えます。
仮に革新系の政権が誕生すれば、日本がとうてい受け入れることができない、歴史問題に関連する要求を続ける可能性が出てきます。
政権交代があれば日本にも影響
今日の世界では、経済と安全保障分野における日韓協力関係は重要です。また、日本も韓国が必要だとは思いますが、それ以上に韓国は日本が必要なのが実情です。それでも、ことさら反日ナショナリズムに基づいた要求をするでしょう。
長期的には、これが最も解決困難な課題となります。世界における韓国のイメージを大きく損なっていくでしょう。
過去20年間、3回もの大統領弾劾が行われ、結局、自殺した大統領が1人、刑務所に入った大統領が1人、そして現職で逮捕された大統領が1人います。こういった国は世界ではなかなか見つけられません。
今回の戒厳令騒動では韓国の民主主義の力が誇示されたともいえるでしょうが、海外からすれば、戒厳令を宣布できるということ自体がより深刻だと言えます。
もちろん、韓国は民主主義の先進国ではありますが、2024年12月3日に発生した戒厳令で低下した国家的イメージは簡単に修復する方法がありませんし、人々の記憶からはそう簡単に消えさらないでしょう。
――戒厳令騒動に対して、北朝鮮では官営メディアによる報道が非常に少なく、冷静な姿勢を見せています。このような北朝鮮の姿勢をどうみていますか。
北朝鮮の反応は本当に冷静なものだと言えます。この態度はある程度、理解できます。北朝鮮は現段階において、韓国の政治に干渉する理由がそれほどありません。
もともと北朝鮮は「南朝鮮革命」の夢を見て朝鮮半島を統一しようとしていた国であり、韓国国内の危機を利用しようと努力したことがあります。1960年代末もそうですし、1980年代初めもそうです。しかし現在の北朝鮮は「南朝鮮を革命化する」という夢を完全に放棄しました。
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