「教育困難」を考える本連載。今回は、偏差値40台の教育困難校の卒業生である高田さん(仮名)に学校の環境に関する話を、15年前に「教育困難」校を卒業した濱井正吾氏が伺いました。
大学進学者はわずか、就職する生徒が多数
今回お話を伺ったのは、首都圏にある教育困難高校(A高校)出身者の高田さん(仮名)です。
現在30代の高田さんは、約20年前にA高校に通っていました。ここ数年で一気に人口が増えたこの地域では、偏差値40台の高校が大半。その中で最も偏差値が低いのが、A高校でした。
至る所で牛や豚の匂いがする、「農業の文化」が根付く一方、過去には未成年を狙った凶悪な事件が何件も起きたことがあるほど、治安はあまりいいとは言えない地域でもあります。
そうした地域に存在する、教育困難校の事情について、話を伺いました。
高田さんが通っていたA高校の出身者は、地元の中学校から来る生徒が9割を占めていました。
学校の卒業生たちは、卒業後にそのまま就職するケースが大半で、専門学校、短大、4年制大学に通う生徒はごくわずか。A高校は、地元の高校を卒業した生徒が、地元の企業に就職する「地元完結型の学校」としての性質を持っていることがわかります。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら