ついに発表!5ドアの「ジムニー」265万1000円 「ノマド」のサブネームとともに4月3日発売へ

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「後席シートは、折りたためるなど機能性を犠牲にしないようにしつつ、座面のクッションも厚くするなど快適性を追求しました」とは、シート開発担当者の言葉だ。実際、身長175cmの私が十分、快適に座っていられる空間だった。

後席は2名がけで乗車定員は4名となる(写真:スズキ)
後席は2名がけで乗車定員は4名となる(写真:スズキ)

後輪のホイールハウスの出っ張りが少ないのも、広さ感によい影響を与えているし、3ドアモデルでは鉄板むきだしだった内張りが、ちゃんと合成樹脂で覆われていて、乗用車感覚で乗っていられる。

「快適な居住性を追求しましたが、ジムニーが本来持つオフロード性能は守っています」と、先の担当者は付け加えた。

「上級でなく上質をめざしました」

ボディを延長すると、そのままでは車体の強度や剛性が落ちる。そこでスズキのエンジニアは、シャシーの角断面フレームの一部を設計し直した。強度を高めるため、内部に補強を入れたという。

より強度が必要だと判断した箇所には、クロスメンバーを設けている。長くなったプロペラシャフトも、長さと直径ともに見直された。オートマチック変速機のケースも、強度を上げているという。

衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」とアダプティブクルーズコントロール(AT車のみ)も搭載(写真:スズキ)
衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」とアダプティブクルーズコントロール(AT車のみ)も搭載(写真:スズキ)

フロントサスペンションは、コイルバネの定数を調整するとともにダンパーの減衰特性を最適化し、さらにスタビライザー径も拡大。フロントブレーキは、ベンチレーテッドタイプが採用されている。

はたして、走破性能をジムニー シエラと比較すると、36度のアプローチアングルと47度のデパーチャーアングルは同一。ホイールベースが延長された分、ランプブレークオーバーアングルだけは、シエラの28度に対してノマドは25度とちょっと劣る。

荷室が前後に350mm延び、積載容量が332リッター確保された一方で、走破性能がジムニー シエラとほぼ同一というのは、エンジニアの努力だろう。

ブラック2トーンルーフは5万5000円のメーカーオプション(写真:スズキ)
ブラック2トーンルーフは5万5000円のメーカーオプション(写真:スズキ)

「上級でなく上質をめざしました」というのは、前出のスズキ商品企画本部、佐々木貴光チーフエンジニア。

単なる5ドア・ロングボディではなく、快適性も追求されたジムニー ノマド。2025年4月3日だという発売を楽しみに待つ人も、多いだろう。

なお価格は、ジムニー シエラ「JC」から60万円弱のアップで、5速マニュアルが265万1000円、4速オートマチックが275万円となる。

【写真】ここまでを踏まえてもう一度見てみたい「ジムニー ノマド」の内外装(70枚)
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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