「まどか26歳」9時5時勤務の研修医が見た"葛藤" 「労働時間が短い=良い」は思い込みなのか
研修医たちが自分たちの働き方に頭を抱える中で、先輩医師たちも葛藤をにじませる。外科医の西山正樹(赤堀雅秋)は、研修医たちが定時に帰宅してしまう現状についてこう嘆いた。
「我々より遅く来て、我々より先に帰る。通常業務を終えて、さぁやっと教えられるぞってときに彼らはいない」
「いまだに令和の育て方がわかりません」
医師として求められるレベルは変わらないのに、時間の制約だけが厳しくなっていく現代。もちろん、過酷な環境で働くことで心身を病んでしまっては元も子もない。
しかし、学びたい人、学びを伝えたい人それぞれの憂いは深刻だ。
働き方改革の痛みを描いてこそのドラマ化
実は原作は、10年前に発表されたコミックエッセイ。水谷緑氏による『まどか26歳、研修医やってます!』『あたふた研修医やってます。』『離島で研修医やってきました。』の3作である。これらが発表されたのは2014年~2015年。
このおよそ3年後、働き方改革法が公布される。
今回紹介したエピソードは、実はドラマのオリジナルストーリーである。そう、働き方改革をベースにした大胆なストーリーの追加にこそ、本作がドラマ化された意義がある。
2020年から中小企業で施工がはじまり、そして2024年4月、医療業界でも本格的に働き方改革がスタート。医師の時間外労働の削減、業務の改善を目的とした働き方が求められるようになった。労働時間に関する取り組みへの違反は、罰則の対象になってしまうこともある。
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