「まどか26歳」9時5時勤務の研修医が見た"葛藤" 「労働時間が短い=良い」は思い込みなのか
研修医たちはこの2年間で経験を積み、のちに自分が専門とする科を決めなければならない。
研修医は9時に出勤し17時に退勤する、いわゆる「9時5時勤務」だ。研修期間中、定時で帰り趣味やデートの時間を謳歌する研修医たち。その姿は、過酷な医療現場のイメージとは異なるかもしれない。
電子カルテの時代に丸暗記を求められ…
しかし、そんな彼らに試練がおとずれる。
この病院では、手術方針をプレゼンする際に資料を丸暗記して臨まなければならないルールがある。そのルールを見落としていたまどかは、暗記でのプレゼンに失敗。
「入院患者のカルテを全部覚える。俺たちの時代はそんなの当たり前だった」
「俺たちの時代とやっぱり違うなぁ」
先輩たちからの厳しい声に、まどかは悔しさを隠せない。同時に、「そもそも暗記で臨ませることに意味はあるの? なんのための電子カルテなのか」という疑問も浮かぶのだった。
定時がくれば退勤することを求められる研修医たちにとって、膨大な業務を抱えた勤務時間中にカルテを丸暗記するなど至難の業だからだ。
「昔はこうだった」と言われても、残業することが勲章だった世代と違う軸の中で生きている若手研修医たちは、もどかしい気持ちを隠しきれない。
「うちらってどう働けば正解なわけ? いまのこの働き方でいいの? どうなの?」
そんな折、サーバーダウンのため電子カルテを閲覧できないという障害が発生。実は「カルテを覚えろ」という教えは患者のためだったのだ。
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