名車「R32型スカイラインGT-R」をEV化した真意 日産が旧車のカスタマイズを披露した理由とは
GT-Rの初代モデルは1969年に登場した。3代目スカイライン(通称ハコスカ)をベースに、2.0L・直列6気筒DOHCのS20型エンジンを搭載した仕様で、ツーリングカーレースで49連勝を達成するなど、その高性能ぶりをモータースポーツの世界で証明。当時は、レースで速いクルマに人気が集まる傾向が強かったので、セールス的にも成功し一世を風靡する。また、1973年には、4代目スカイライン(通称ケンメリ)をベースにした2代目GT-Rも登場。だが、強化された排気ガス規制の影響に伴い、わずか3カ月間で生産中止となる。
その後、ファンから熱い要望こそあったものの、スカイラインのGT-R版はしばらく実現されないまま月日が過ぎる。そして、2代目から16年のときを経て1989年8月にようやく復活。それが今回BEV化されたR32型スカイラインGT-Rだ。
名機RB26DETTエンジンを搭載した伝説的なクルマ
主な特徴は、専用設計の2.6L・直列6気筒DOHCツインターボエンジン「RB26DETT型」を搭載したことだ。当時、国産車最強といわれた最高出力280馬力もの大パワーと、電子制御で前後輪に自在な駆動力を配分する独自システム「アテーサE-TS」の採用により、高い走行性能を実現。当時の国産車としては驚異的なポテンシャルを持ち、若い世代を中心に多くのスポーツカー好きを虜にした。
また、レースでも数々の記録を樹立。当時の国内トップカテゴリー「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」では、1990~1993年の4シーズンで29戦全勝という偉業も達成する。さらに「ベルギー・スパ24時間」といった海外レースでも高い評価を得たことで、その名を世界的に轟かせる。セダン派生型のスポーツカーとしては世界トップクラスという評価の獲得に至る。
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