南海ホークスの大監督、鶴岡親分こと鶴岡一人は「ゼニはグラウンドに落ちてるんやで」と言ったが、その感覚がまだ続いているのか?
「本当にそうですね。その選手は奥様と一緒に相談に来られて、そこからは年俸の何割かは運用して積み立てていきましょう、という話になったりしました。奥様はすごく安心されたと思います。引退までに何億円かはたまる。それを今は年率4~5%でずっと運用しているので、最悪年収がなくなっても、その利回りがあれば、一生、生きていけるということですからね」
高卒でドラフト指名された選手が、契約金が入ったとたんにスポーツカーを買って、隣に女の子を乗せて、仲間の家に見せびらかしに来た、みたいな話は今でもちょくちょく聞く。
少し前まで高校生だった選手に、大人の金銭感覚を求めるのは無理な話なのだ。その点、社会人野球からプロ入りした選手は、しっかりしたプランを持っていることが多い。
神奈川大学、日立製作所を経て25歳でロッテに入りクローザーとして活躍した荻野忠寛氏は「高卒の選手は、どこへ行くのもタクシーを使っていましたが、僕は、急に生活が派手になるのが嫌なので、極力電車を使うようにしていました」と語ったが、どこかのタイミングで「大人」が堅実な人生設計を教えないといけないのだ。
プロ入りすると「資産運用しませんか」と近づいてくる
取材に同席した田中大貴氏が語る。
「プロ入りすると、どこのだれかわからない人が近づいてきて、資産運用しませんか、と持ちかけてくることがある。父親母親の知り合いで、みたいな感じで。でもふたを開けてみたら、お金なくなってしまいました、という話も多いんですよ」
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