新幹線で「マナー違反」する側が不満を表明する訳 年末年始の帰省シーズンに考えたい、マナー論争

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当然ながらルールは守らなければならない。先に出した例で言えば、「グリーン券を持たなければ、グリーン車に入れない」は、決まりごとに分類される。一方で、「カードゲームのように通行を大きく妨げる行為をやってはならない」などと明文化されているわけではない。

ちなみに亮さんの件は、厳密にはNGになる可能性もある。JR東海の旅客営業規則では、車内に持ち込めない品として、「不潔又は臭気のため、他の旅客に迷惑をかけるおそれがあるもの」(第307条)が挙げられている。

ただ「臭気」の定義は、人それぞれだ。運用実務を考えれば、食べ物、それも駅構内で販売されているものであれば、(少なくとも現場では)黙認される可能性が高いだろう。

鉄道ネタはマナー論争に参加しやすい

新幹線のマナー論争が盛り上がる理由としては、「鉄道ネタはファン層が厚い」こともある。一部ファンの中には、強い正義感から、異論に対して攻撃的な姿勢をとる人もいる。もちろん良識的なファンが大多数なのだが、SNS上では「目立つ人」の声が拡散されやすい傾向がある。

そこにファン以外の「あるある」が掛け合わされる。鉄道やバス、飛行機などの公共交通機関で移動した経験は、あらゆる人にあるだろう。誰にでもシチュエーションが思い出されることから、「もし自分の身に降りかかったら」と想起しやすい点も、マナー論争に参加しやすいポイントだ。

また、トラブルに巻き込まれた人が、投稿したくなる要素もある。多くの乗客は「移動そのもの」よりも、むしろ「到着地での用事」を重視している。そのため、旅行者は「ワクワクを邪魔された」、出張者は「仕事に集中できなかった」と感じるのではないか。

そもそも、数時間にわたり同じ空間で、赤の他人と過ごすこと自体がストレスになる。殺気立っていれば、そのぶん周囲の環境が気になるものだ。普段なら無視できることでも、とりわけ強く気になってしまう。

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